奈良新聞「健康志向の家には安全の調理器具を」(補足説明)

 

  2010年6月20日の奈良新聞に掲載された「健康志向の家には安全の調理器具を」の記事のうち、調理器具から発生する電磁波が人体に影響を及ぼすことが明らかであるような誤解を生じる可能性がありますので、センターとして下記のように補足します。
○奈良新聞記載内容(関連箇所のみ)
  ラジエントヒーターは遠赤外線の温熱効果を利用した調理器具で、余熱料理もできて経済的。人体に影響を及ぼすとされる電磁波が少なく、安心安全なため、同社も採用を推進している。
《補足》
  ラジエントヒーターなど電気を使用する調理器具からは電磁波が発生します。ラジエントヒーターの場合、調理器に設置されたニクロム線を加熱しその熱を鍋に伝える仕組みであるため、主に遠赤外線の電磁波と50/60Hzの超低周波の電磁波(電磁界)が発生しています。
  記事には、『人体に影響を及ぼすとされる電磁波』とありますが、遠赤外線の電磁波は全ての物質からその温度に応じて放射されており、人はこの中で普通に生活していますが問題はありません。また、超低周波の電磁界について、世界保健機関(WHO)が2007年6月に公表した「WHOファクトシートNo.322」によると、超低周波(ELF)磁界による潜在的な長期的影響について、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではありません。」とあります。また、「白血病以外の小児がん、成人のがん、うつ病、自殺、心臓血管系疾患、生殖機能障害、発育異常、免疫学的変異、神経行動への影響、神経変性疾患との関連性を支持する科学的証拠は、小児白血病についての証拠よりも更に弱いと結論付けています。幾つかの実例(すなわち心臓血管系疾患や乳がん)については、ELF磁界はこれらの疾病を誘発しないということが、証拠によって示唆されています。」とあることを補足します。

  なお、当センターは、今回の記事の内容に関して、更に正確な内容をお伝えすべく、自主的に補足することとしました。