地方紙「危険な携帯電話の電磁波」(情報提供)


  2009年3月7日九州地方の地方紙に掲載された「危険な携帯電話の電磁波」の記事のうち、携帯電話の電磁波に関する記載内容に関して事実誤認と思われる部分につきまして、センターとして下記のように情報提供させていただきます。
○地方紙記載内容(関連箇所のみ)
  WHO(世界保健機関)の国際電磁波プロジェクト(EMF)では、携帯電話の電磁波がDNAを破壊することを発表している。
  ~中略~
  WHOは、携帯電話の電磁波を妊婦や小児に浴びせないようにと発表している。
《情報提供》
  電磁界情報センターによる調査の結果、WHOが公表する文書からは、上述の発表内容は見つかりませんでした。
  一方、WHOが2000年6月に公表したファクトシート№193「携帯電話とその基地局」によれば、「携帯電話やその基地局から放出されるRF電磁界にさらされることが、健康への悪影響を招くとの結論を出した最近の判断はひとつとしてありません。ですが、健康リスクに対してより正しい判断を下すためのさらなる研究には、データが不足していることもわかっています。」とまとめられています。さらに、WHOが2006年5月に公表したファクトシート№304「基地局と無線技術」においても、「非常に低いばく露レベルと、これまでに集められた研究結果を考慮すれば、基地局及び無線ネットワークからの弱いRF信号が健康悪影響を生じるという明白な科学的証拠はない。」、「基地局及び無線ネットワークからのRF電磁界へのばく露による健康影響は予想されないものの、WHOは依然として、携帯電話からのより高いRF曝露による何らかの健康影響があるかどうかを決定するための研究を推進している。」とまとめられています。

  なお、当センターは、本記事を掲載した地方紙に対して、記事に事実誤認と思われる部分がある旨を指摘させていただきました。