健康影響
質 問
携帯電話の基地局の近くに長く住んでいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?
回 答
世界保健機関(WHO)が公表したファクトシート№304(基地局および無線技術)によれば「基地局および無線ネットワークからの弱いRF信号が健康への有害な影響を起こすという説得力のある科学的証拠はありません。」と結論付けられています。
また、日本では、高周波電磁波(電波)の人体への影響に関して、電気通信技術審議会が1990年6月に「電波利用における人体の防護指針」、1997年4月に「電波利用における人体防護の在り方」(総称して、電波防護指針)を総務省に答申しました。これを受け、総務省は、電波防護指針を制度化するため、1999年10月に電波法施行規則、2002年6月に無線設備規則を制定しました。
よって、通信事業者は「電波防護指針」に基づき電波の強さが基準値を超えないように携帯電話基地局の運用を行うとともに、携帯電話基地局のアンテナの極近傍など基準値を超える場所には一般の人が容易に立ち入れないよう柵などを設置しています。
なお、一般的に基地局からの出力は、200m程度離れれば基準値の1/1,000程度の強さになります。これまで100 年近くTV、ラジオなどを経験していますが、これらの電波と比較しても、携帯電話基地局の電波は数分の一から数十分の一程度と弱い値です。理由は、テレビやラジオの放送電波は広いエリアを一つのアンテナでカバーしなければならないので出力も大きくなりますが、携帯電話の基地局は数kmおきにあって、比較的狭い範囲をカバーすれば良いので出力は小さくて済みます。TV、ラジオの電波でがんが発生するとしたら、TV電波を発生している東京タワー周辺住民からは、がんが多発していることとなりますが、そのような事実はありません。
⇒参考資料
☆ WHOファクトシート№304「基地局および無線技術」(日本語訳)PDF ファイルダウンロード