健康影響
質 問
電子レンジの近くにいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?
回 答
電子レンジは、2.45ギガヘルツ(GHz)の電磁界(マイクロ波)を発生させて調理をおこないます。マイクロ波を照射すると極性をもつ水分子を繋ぐ振動子がマイクロ波を吸収して振動・回転し、温度が上がり、その熱が食物を調理します。ただし、電子レンジのスイッチを切った後は、レンジの庫内にも食物にも、マイクロ波エネルギーが残存することはありません。
マイクロ波のエネルギーは人体に吸収されると、組織内で熱を発生させます。眼球のように血液の供給が少なく温度調節機能の弱い器官、あるいは睾丸のように温度に敏感な器官は、非常に強いマイクロ波を浴びた場合、熱による損傷を受ける可能性があります。しかし、熱損傷が起きるのは、電子レンジの周囲における測定値よりはるかに高いレベルに長時間ばく露された場合だけですので、通常の使用環境においては、そのような強い電磁界を浴びることはありません。したがって、家庭で使用している電子レンジからの電磁界が健康に影響を及ぼすことはないと考えられます。
なお、現在の電子レンジは、マイクロ波がレンジの内部に確実に閉じ込められるように、扉に網状のものが取り付けられています。また、また、扉を開けた時にマイクロ波が外に漏れないよう直ぐに停止する設計になっています。
⇒参考資料
☆ WHO情報シート「電子レンジ」(日本語訳)PDFファイルダウンロード