MRI(磁気共鳴画像法)

MRI(Magnetic Resonance Image=磁気共鳴画像法)は、非常に強い磁石の力(静磁界)があるトンネル状の診断装置(スキャナ)の中で、電磁波(電波)を人体にあてて、人体の内部の断面をさまざまな方向から画像化する検査方法です。

MRIの原理

難解かもしれませんが、MRIの原理をお知りになりたい方はこちらをお読みください。

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MRI 検査室の磁気シールド設計

MRIの静磁界が室外の人や機器に影響を与えないため、検査室の周囲には堅固な磁気シールドが施されています。 加えて、検査室内部への立入は制限されています。

MRIから発生する電磁波の影響

非常に強い静磁界

心臓ペースメーカなどの植込み型医療機器や、金属製の外科手術用クリップなどのインプラントは、磁界の影響を受ける可能性があります。そのため、検査前に患者の検査適応について十分なチェックが必要です。ペースメーカの場合、発熱や誤作動の可能性があります。事前に担当医療者に相談してください。

また、強い静磁界の中を人が移動することによる影響を防止するための指針がありますので、医療スタッフの指示に従ってください。

その他、工具などの鉄製品は強い磁界の力を受けて装置に向かって高速で空間を移動します。人体への直接的影響ではありませんが、人に当たれば怪我をする恐れがありますのでMRI検査室内では注意が必要です。

電波

人体は電波エネルギーを吸収すると体温が上昇します。しかし、通常のMRI装置の電波レベルでは国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が公表する国際的なガイドラインのばく露制限値を上回ることはないため、体温が上昇することはありません。

傾斜磁界(約1kHzのオンオフ切替磁界)

オンオフの切替え時に磁界が急激に変動するため、比較的大きな誘導電流が生じ、神経刺激を起こすことが考えられます。そのため、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)の基準により、患者と医療スタッフが神経刺激を受けないように設計することが定められています。

MRIが関係する国際非電離放射線(ICNIRP)のガイドライン

患者のばく露

MRIは医療上の目的で使用される機器のため、患者のばく露についてICNIRPのガイドラインは適用されません。

しかし、医療上の利益を考慮しつつ、患者の保護を確保するため、ICNIRPの声明(2009年)は、患者の静磁界への全身ばく露制限値は4T(テスラ)とすることを推奨しています。

この値までは胎児や乳児への影響を含め、有害な影響の確実な証拠がないことがその根拠です。一般的なMRI装置はこれに準拠しています。

また、強い磁界の中で頭部を動かすと、めまいや吐き気などの急性症状が現れることが知られています。これは急激な動作で一過性に生じた誘導電流が原因と思われるため、患者はMRIの近くやスキャナ内ではゆっくり動作するように指導されます。

医療スタッフのばく露に関して

ICNIRPが公表する静磁界の国際的なガイドラインの職業的ばく露制限値は、頭部および体幹部では2T、四肢では8Tです。ただし例外として、管理や教育、訓練が行われている職場では全身ばく露制限値として8Tまでを認めています。MRI検査室もこのような職場に該当します。

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