太陽光発電の仕組み
電気的な性質が異なるN型半導体とP型半導体を重ね合わせて光を当てると、接合面を境にN型側に電子(-)、P型側に正孔(+)が集まるという性質を活用し、それぞれの電極をつなぐことで電気が流れる仕組みです。
太陽光パネルが光エネルギーから作り出す電気は直流[0 Hz(ヘルツ)]です。しかし一般家庭で使用されている電気は交流(50Hzまたは60Hz)なので直流のままでは使うことができません。パワーコンディショナという機器で直流を交流に変換することで、家庭内で使用できるようになります。
太陽光発電システムから発生する電磁波
太陽光発電システムから発生する電磁波(磁界)には、太陽光パネルからパワーコンディショナまでの直流電流による直流磁界(静磁界:0Hz)と、パワーコンディショナからの交流電流による交流磁界(低周波磁界:50・60Hz)があります。
電磁界情報センターが実施した太陽光発電システムから発生する磁界の測定では、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が公表する国際的なガイドラインのばく露制限値比べて小さい値でした。
電気自動車・ハイブリッド車
電気自動車
ガソリン車にあるエンジン騒音がなく、排ガスを出さないため、環境にやさしいとされる電気自動車は、エンジンの代わりにモーターと制御装置を使い、ガソリンの代わりにバッテリーに蓄えた電気で走る車です。
- バッテリー
電気を蓄える装置で、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池が実用化され、特にリチウムイオン電池は、蓄えられる電気量や寿命などが優れています。 - モーター
電気を使用して車輪を回転させる装置で、最近の電気自動車は、小型軽量でエネルギー効率の良い交流電動機が使用されています。
ハイブリッド車
ハイブリッド車は、ガソリンで動くエンジンと電気で動くモーターの両方を備えているのが特徴です。一例では、走り出しや高速道路で加速する場合など馬力が必要となるときに、モーターを使って走行し、その後に燃費の効率が良い速度になると、動力を電気からガソリンに切り替えて走行します。
また、プラグインハイブリッド車(PHV)は、外部電源から充電できるタイプのハイブリッド自動車で、走行時にCO2や排気ガスを出さない電気自動車のメリットと、ガソリンエンジンとモーターの併用で遠距離走行ができるハイブリッド自動車の長所をあわせ持つ自動車です。
電気自動車・ハイブリッド車・ガソリン車から発生する電磁波
電気自動車、ハイブリッド車そしてガソリン車も電気を使用するため、電磁波(磁界)が発生します。当センターでは、それらの自動車を定速走行させて車内の磁界を測定しました。各車種の最大磁界とその測定条件を下表に示します。いずれにおいてもICNIRPが公表する国際的なガイドラインのばく露制限値よりも小さい値でした。
測定条件 | ピーク周波数 | 最大磁界値 | ICNIRPガイドライン値 | ||
---|---|---|---|---|---|
車種 | 速度 | 位置 | |||
電気自動車 | 10km/h | 運転席・脚部 | 1Hz | 1.38µT | 40,000µT |
ハイブリッド車 | 10km/h | 助手席・脚部 | 1Hz | 1.38µT | 40,000µT |
ガソリン車 | 40km/h | 運転席・脚部 | 6Hz | 4.20µT | 1,111µT |
詳しい測定方法および結果はこちら
電気自動車の充電器による植込み型心臓ペースメーカなどへの影響
電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む)の充電器から発生する電磁波が、心臓ペースメーカや植込み型医療機器などに一時的な影響を与える場合があります。心臓ペースメーカなどをご使用されている方は、以下の点にご注意下さい。
- 電気自動車の急速充電器は使用しないこと。
- 急速充電器を設置している場所には、可能な限り近づかないこと。なお、不用意に近づいた場合には、立ち止まらず速やかに離れること。
- 電気自動車の普通充電器を使用する場合、充電中は充電スタンドや充電ケーブルに密着するような姿勢は取らないこと。
※電気自動車の充電器の電磁波による植込み型心臓ペースメーカなどへの影響に係る使用上の注意の改訂について[薬食安発0319第4号(平成25年3月19日)]参照