変電所

変電所とは、電気エネルギーの損失を低く抑えるために発電所で高い電圧に上げられた電気を、消費地に近づくにつれて段階的に下げる施設であり、電気の流れを集中・分配しています。
なお、変電所内は危険防止のため一般の人の立入ができないように、適切な措置を講じなければならないと法令で定められています。

送電の仕組み
一次側送電線から入ってきた電気は、変圧器で電圧を下げて
二次側送電線から送り出されます

変圧器

変圧器の原理          
変圧器の原理

変圧器の基本的構造は、鉄心に一次コイルと二次コイルを巻きつけた構造になっています。一次コイルに電流が流れると、鉄芯に磁界が生じて二次コイルに伝わり、二次コイルに電流が流れます(電磁誘導作用)。この時の一次コイルと二次コイルの電圧比は、両者のコイルの巻き数の比に等しくなります。
たとえば、一次電圧が6万6000ボルト(66kV)、二次電圧が6600ボルト(6.6kV)の変圧器の場合、コイルの巻き数の比は10:1になります。

遮断器および断路器

電流を流したり止めたりする装置です。

避雷器

落雷による異常な高電圧から変圧器などを保護する装置です。

変電所の種類

変電所を大きく分類すると、電力系統の途中に配置されて電圧の変換を行っている「送電用変電所」と、送電線で送られてきた高い電圧を低い電圧にして地域の配電線に供給する「配電用変電所」に分類されます。
さらに、送電用変電所は、一般的に発電所に近い側の電圧の高い方から50万ボルト(V)変電所、超高圧変電所、一次変電所、中間変電所などと呼ばれていますが、系統によっては途中の段階を飛ばすこともあります。電圧毎の分類例を以下に示します。
なお、変電設備を持つ鉄道会社や大工場などは、一次変電所などから直接電気が供給されている場合もあります。

種類 受電電圧 送出電圧

送電用
変電所

50万V変電所 50万V 27万5000V ~ 15万4000V
超高圧変電所 27万5000V~18万7000V 15万4000V ~ 6万6000V
一次変電所 15万4000V ~ 11万V 7万7000V ~ 2万2000V
中間変電所 7万7000V ~6万6000V 3万3000V ~ 2万2000V
配電用変電所 15万4000V ~ 2万2000V 2万2000V ~ 6600V

変電所の設置による分類

変電所は主に屋外にありますが、敷地面積が確保できない都市部では、屋内や地下に設置される場合もあります。

変電所の設置による分類
(左)屋内変電所         (右)地下変電所

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