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架空送電線からの電界の強さは、電圧、送電線からの距離、電線の位置関係によって決まります。電圧は一定なので、電界の強さは変化しません。架空送電線は静電誘導作用により人に危険をおよぼすおそれがないよう、地表上1メートルにおける電界が3キロボルト毎メートル(kV/m)以下になるよう施設することが「電気設備に関する技術基準を定める省令」1)にて定められています。
架空送電線からの磁界の強さは、電流、送電線からの距離、電線の位置関係によって決まります。電流は電力需要によって時々刻々と変化しますので、それにともない磁界の強さは変化します。
様々な場所で磁界測定を実施した結果が「総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会 電力安全小委員会 電力設備電磁界対策ワーキンググループ報告書」2)で公表されていますので、下記に示します。
対象設備(電圧) | 磁界の最大値[µT] | 測定箇所数 |
---|---|---|
50万V | 8.97 | 87 |
27万5000V | 10.07 | 100 |
15万4000V | 7.47 | 59 |
7万7000V | 3.27 | 64 |
6万6000V | 3.47 | 197 |
電力設備から発生する磁界の強さは、以下のビオ・サバールの法則により決まります。
H= Ⅰ/2π * 1/r H:磁界の強さ[A/m]、Ⅰ:電流[A]、r:距離[m]
つまり、発生する磁界は電流が大きくなるほど、また距離が近づくほど強くなりますが、電圧は関係しません。したがって、前ページの表に示すように高電圧の送電線から発生する磁界が必ず強いということではないのです。
次に、送電線からの距離と磁界レベルとの関係について、下のような送電線をモデルにして地表上1メートルの高さで計算した結果を示します。
送電線の形状(三相の位置関係)や鉄塔高さなどの条件によって分布傾向は異なりますが、送電線から離れるほど、磁界レベルは弱くなります。
地中送電線から発生する電磁界については、第Ⅰ章4-3「電力設備からの電磁界(配電線)」をご参照ください。
[▶Ⅰ(4-3)]