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日本では国際的に見て電界が厳しく規制されており、また、非常に狭い国土を有効活用しなければならないという制約から、電気事業者はこれまで高鉄塔化、鉄塔コンパクト化、逆相配列化など、磁界低減にも資する設備や技術の導入に取り組んできました。
日本の電界規制(3kV/m)は海外(50Hzでは5kV/m、60Hzでは4.2kV/m)に比べて厳しいため、送電線を高くすることが求められています。
一般的に、電圧が高い送電線(17万ボルト以上)は、電界規制によって最低地上高(電線が地面に最も近づく高さ)が決まることが多く、電界低減対策として、高鉄塔化に加え逆相配列が多く採用されています。一方、電圧の低い送電線(17万ボルト未満)は、送電線下の土地を有効活用する観点から、電気設備の技術基準で定められる最低地上高(電界規制の他に、交通等に支障のない高さの規制など)より鉄塔を高くする場合が多くなります。
以上の高鉄塔化や逆相配列などの取組は、磁界のレベルを低減させる効果もあり、日本における送電線からの磁界レベルは国際的にも十分に低くなっています。参考ですが、過去の疫学研究の調査対象者のうち0.4マイクロテスラ以上の磁界環境に居住する人の割合は、日本0.83%、アメリカ2.3%、ドイツ1.14%、カナダ4.78%、イギリス0.37%、ベルギー1.2%でした(WHO EHC No.232,2007)。
電界規制の要因以外として、電線配列により磁界レベルが異なります。国土が広い国では、建設費の抑制や景観の観点から、電線を水平や三角に配列し、鉄塔の高さを抑制しています。一方、国土が狭い国では、土地の有効活用の観点から、電線を縦方向に配列する場合が多く、鉄塔が高くなります。
出典:総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 電力安全小委員会 電力設備電磁界対策ワーキンググループ 報告書(経済産業省 原子力安全・保安院電力安全課)
出典:総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 電力安全小委員会 電力設備電磁界対策ワーキンググループ 報告書(経済産業省 原子力安全・保安院電力安全課)