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電力設備から発生する磁界を低減するためには、原理的に以下のことが考えられます。
技術的には下表に示すような方法になります。
原理 | 低減技術 | 説明 | 下図 番号 |
---|---|---|---|
流れる電流を小さくする | 電流制限 | 送電線のルートを複数化して、1ルートあたりの流れる電流を小さくする | ① |
送電線からの距離をとる | 高鉄塔化 | 送電線の支持物の高さを高くする | ② |
ルート変更 |
ある場所を避けて送電線ルートを設定する 既設送電線の場合、磁界を下げたい場所の近傍送電線を移設する |
③ | |
送電線の配置を工夫して磁界の打ち消し効果を高める | 電線の間隔を狭小化 | 鉄塔コンパクト化や電線地中化により電線間の距離を狭くする | ④⑤ |
各相からの磁界の打ち消し効果 | 2回線送電線を逆相配列にしたり、電線を三角配列にする | ⑥⑦ | |
補償ループ化 | 送電線の近傍に閉ループ状の導体を設置する |
なお、WHOファクトシートNo.3221)にも示されているとおり、低レベルの磁界による長期的影響については、因果関係についての証拠が弱く、超低周波磁界を低減することで健康リスクを低減するという考えに科学的根拠があるとはいえませんが、磁界レベルの低減に対して何らか配慮することは、電磁界の健康影響に不安を抱いている人々とのリスクコミュニケーションの一環として大いに意味のあることと考えられます。[▶Ⅲ(2)]
日本では、国際的にみて厳しい電界規制が行われていること、また、非常に狭い国土を有効活用しなければならないという制約から、電気事業者はこれまで高鉄塔化、鉄塔コンパクト化、逆相配列化など、磁界低減にも資する設備や技術の導入に取り組んできています。その結果として、送電線からの磁界レベルも国際的に十分に低くなっています。[▶Ⅰ(4-5)]