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超低周波電磁界にばく露した人体に起きる電磁的現象[▶Ⅱ(1)]によって、電磁界が一定レベルを超えた場合、以下のような生物学的影響が引き起こされることは科学的に立証されています。これを短期的ばく露影響といいます。
人体が強い超低周波磁界を浴びると、体内に誘導電流が発生して、その影響により神経が刺激されることがあります。これを刺激作用といいます。
人の神経や筋には、電気生理的な活動による内因性電流が流れています。脳波や心電図などはこの電気的活動を測定記録したものです。内因性電流と同程度、あるいはそれ以上の大きな電流が電磁界により生体内に発生すると、神経や筋などの活動に悪影響をおよぼすと考えられています。
この内因性電流と同程度の電流を体内に発生させるのに必要な超低周波磁界の強さはおおよそ500~5,000マイクロテスラ(居住環境での最大レベルの数十~数百倍)です。
人体のなかで神経刺激に最も敏感な部位のひとつは眼の網膜です。日常生活では遭遇することのない非常に強い超低周波磁界を頭部に浴びると、磁界による誘導電流が網膜を刺激するため、眼を閉じていても視野周辺に微弱光がチラチラ揺らいでみえる感覚が体験されると報告されています。この現象を磁気閃光といいます。左図に示すように、外部磁界の周波数が20ヘルツ付近で磁気閃光の閾値は最小になります。
これは健康影響に直結する現象ではありませんが、一時的な不快感を与えますので、2010年の国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の「時間変化する電界および磁界へのばく露制限に関するガイドライン(1Hz~100kHz)」1)は、これを回避するように配慮がなされています。