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相対危険度(Relative Risk:RR と略されます)とは、ある要因がある事象に対して関連性があるか否かを示す指標の一つです。
ここでは相対危険度の算出式を例に、喫煙と肺がんのコホート研究で下表のようなデータがえられた場合を示します。
肺がん患者 | 健康な人 | 合計 | |
---|---|---|---|
喫煙者 | A人 | C人 | (A + C)人 |
非喫煙者 | B人 | D人 | (B + D)人 |
相対危険度= (喫煙者の発病率)/ (非喫煙者の発病率) = {A÷(A+C)}/{B÷(B+D)}
相対危険度が「1」以上になると、“喫煙”は“肺がん”に正の相関があることを意味しており、値が大きくなるとその統計学的関連性は強くなります。
オッズ比(Odds Ratio:OR と略します)とは、相対危険度と同じように、ある要因がある事象に対して関連性があるか否かを示す指標のひとつです。
喫煙と肺がんの症例対照研究で下表のようなデータが得られた場合、オッズ比の算出式は以下のようになります。
喫煙者 | 非喫煙者 | 合計 | |
---|---|---|---|
肺がん患者 | A人 | B人 | (A + B)人 |
健康な人 | C人 | D人 | (C + D)人 |
オッズ比= (肺がん患者のうち、喫煙者と非喫煙者の比)/(健康な人のうち、喫煙者と非喫煙者の比)
=({A÷(A+B)}÷{B÷(A+B)})/({C÷(C+D)}÷{D÷(C+D)})
=(A÷B)/(C÷D)
オッズ比が「1」以上になると、“喫煙”は“肺がん”に正の相関があることを意味しており、値が大きくなるとその統計学的関連は強くなります。
信頼区間とは、統計学において母集団がどのような数値の範囲にあるかを確率で示すものです。95%信頼区間とは、母集団の値が、95%の確率で入る範囲(区間)のことです。
たとえば、ゴルファーが続けて100 回打ったときの飛距離の分布が下図のようになった場合、その平均値180m に近い95 回が172~188m の間に入っていることから、そのゴルファーは95%の確率で172~188m の飛距離を出すと推定されます。つまり、95%信頼区間は172~188mとなります。
疫学研究では、オッズ比の95%信頼区間が1 を跨がないとき、統計学的に有意なオッズ比の上昇がある、すなわち要因と事象に有意な関連があるとみなします。つまり、95%信頼区間の下端が1を上回るということは、95%の確率でオッズ比が1を上回ると推定されるからです。
下の例では、BとCが統計学的に有意なオッズ比の上昇を示していると判断されます。