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生活環境で電磁界ばく露を受ける機会が増加し、またばく露の多様化も進んでいるなかで、全世界的に、その健康影響について公衆衛生上の関心の高まりを受け、1996年5月に世界保健機関(WHO)は、電界および磁界へのばく露の健康および環境への影響を評価する国際的プロジェクトとして、国際電磁界プロジェクトを発足させました。
国際電磁界プロジェクトは、0~300ギガヘルツの周波数範囲の静的および時間変化する電界および磁界へのばく露の健康リスク評価に関する科学的に適切な勧告を行うために、主要な国際および各国の当局と研究組織が有する現時点での知識と入手可能な資源を集め、結びつけます。
国際電磁界プロジェクトは、全世界的に受け入れられる電磁界の人体ばく露制限に関する基準、各種機器から発生する電磁界の計測とコンプライアンスに関する基準の作成を促進し、また、電磁界ばく露によるリスクの可能性に関して、公衆および労働者への情報伝達を最も適切に行う方法について、理解を深めることを促進しています。
国際電磁界プロジェクトは、4つの国際組織、7つの非政府組織(NGO)、5つの協力機関および日本を含む60以上の各国政府機関のメンバーにより構成された国際諮問委員会から成り立っています。
2006年に静電磁界の健康リスク評価(環境保健クライテリア№ 232)を、2007年には超低周波電磁界の健康リスク評価(環境保健クライテリア№ 238)を発行しました。これを受け、ICNIRP は2009年4月には静電磁界、2010年12月には低周波電磁界の新しいガイドラインをそれぞれ公表しました。
したがって残された課題は、高周波電磁界の健康リスク評価となりました。そのような状況のなか、国際がん研究機関(IARC)が推進した13カ国共同のインターフォン研究(携帯電話使用と頭部、頸部のがんとの関連についての症例・対照研究) の総括論文が2010年に公表され、IARC はこのインターフォン研究結果等にもとづき2011年5月に高周波電磁界の発がん性分類を「2B:発がん性があるかもしれない」と判定しました。この発がん性評価を受けて、2023年現在WHOは高周波電磁界の健康リスク評価に向けて、タスク会議開催を進めています。