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第Ⅲ章3節の内容が重複しますが、参考として2007年に発刊された「超低周波電磁界に関する環境保健クライテリア」(EHC No.238)、2006年に発刊された「静電磁界に関する環境保健クライテリア」(EHC No.232)、および米国の電磁界ラピッド計画報告書を紹介します。
50/60ヘルツの商用周波を含む超低周波(ELF:Extremely low frequency)電磁界に関する環境保健クライテリア(EHC:Environmental Health Criteria)No.2381)は、「超低周波電磁界の自然発生源と人為的発生源」、「ばく露量測定(ドシメトリ)」、「人体との相互作用とそのメカニズム」、「神経行動」、「神経内分泌」、「神経変性疾患」、「心臓血管系疾患」、「免疫系と血液学」、「生殖および発育」、「がん」、「健康リスク評価」、「防護措置」など15章で構成されています。これまでのEHCでは研究手法別に項目を立てていましたが、このEHCでは疾患別の構成となっています。全文の和訳は、環境省のホームページから入手できますので、参考資料をご参照ください。
ここでは関心の高い「第12章 健康リスク評価」と「第13章 防護措置」の概要を紹介します。
「健康に対して悪影響を生じる急性の生物学的影響が認められています。ばく露限度を定めた国際ガイドラインを遵守することにより、急性影響に対する適切な防護が得られます」としています。
「日常的な、慢性的な低強度(0.3~0.4マイクロテスラ以上)の超低周波数磁界へのばく露が健康リスクを生じるということを示唆する科学的証拠は、小児白血病のリスク上昇の一貫したパターンを示す疫学研究に基づいています。このハザードの評価における不確かさには、選択バイアスおよびばく露の誤分類が、磁界と小児白血病とに観察された関連性に影響を与えた可能性も含まれます。加えて、事実上すべての実験研究の証拠およびメカニズムに関する証拠は、低レベルの超低周波磁界と生物学的機能または疾患状態の変化との関連を支持していません。ゆえに、全体として、因果関係があると考えるほどには証拠は強くありませんが、関心を残すには十分に強いものです。」と述べています。
さらに、「その他のいくつかの疾患が、超低周波磁界ばく露との関連の可能性について調べられている。これらには、小児および成人のがん、うつ病、自殺、生殖機能障害、発育異常、免疫学的変異および神経学的疾患が含まれる。超低周波磁界とこれらの疾患とのつながりを支持する科学的証拠は、小児白血病についてよりもさらに弱く、いくつかの場合(たとえば、心臓血管系疾患や乳がん)においては、磁界が疾患を誘発しないと確信するのに十分な証拠がある。」と述べています。
以上の見解にもとづいて、以下の11項目(要約)を提唱しています。