発電の原理

電気は、右図のように磁石を回転させることでコイルに電流が流れる原理(電磁誘導)を利用して発生させます。回転させる動力源には、水力、火力、原子力等があります。

発電の原理
発電の原理

水力発電

水力発電は、ダムによる水の落差を利用して、水車を回し発電する方式で、水路式、ダム式、揚水式の3つに分けることができます。水路式は、河川から長い水路で水を引き込み、落差がえられる場所で発電する方式、ダム式は、ダムで水をせき止めて人工湖をつくり、その落差を利用する方式で、揚水式は、需要の少ない時間帯の余剰電力で下部ダムから上部ダムに水を汲み上げ、需要の多い時間帯に上部ダムから下部ダムに放水することにより発電する方式です。

水力発電の仕組み
水力発電の仕組み

火力発電

火力発電は、重油、石炭、液化天然ガス(LNG)などを燃やして蒸気を作り、その力でタービンを回転させて発電します。

火力発電の仕組み
火力発電の仕組み

原子力発電

原子力発電は、ウランの核分裂による熱エネルギーで蒸気を作り、その力でタービンを回転させて発電します。蒸気の力で発電させる仕組みは、火力発電と同じです。

原子力発電の仕組み
原子力発電の仕組み

新エネルギー

新エネルギーとは、太陽光、風力、地熱、バイオマスなど自然環境からえられる再生可能なエネルギーです。

  • 太陽光発電:太陽光パネルで光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電方式
  • 風力発電:風の力を利用して風車により発電機を動かす発電方式
  • 地熱発電:地下にある高温高圧の蒸気で発電機を動かす発電方式
  • バイオマス発電:動植物に由来するバイオマス(生物資源)を燃料とする発電方式

主な長所と短所

発電方式 利用エネルギー 長所 短所
水力 水の落差 純国産エネルギー、
CO2排出が少ない、
発電効率が高い
大規模な環境開発が必要
火力 石油、石炭、LNGを利用した熱 需要に合わせた運転が可能、
高出力
燃料は海外に依存、資源枯渇、
価格変動が大、CO2等の排出
原子力 核燃料による熱 安定した燃料の確保、
有害ガスの排出がない、
燃料のリサイクル
放射性物質の危険性、
放射性廃棄物処理が未確立
新エネルギー 太陽光、風力、地熱など 資源枯渇の心配がない、
CO2の排出が少ない
安定供給が難しい、太陽光・風力で
火力・原子力と同じ電力量を得よう
とすると広大な面積が必要

エネルギー・ミックス

時間により変化する電力需要に合わせて、各発電方式の特徴を生かして効率よく発電しています。

電源のベストミックス
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー」より作成

最小需要日(5月の晴天日など)の需給イメージ

最小需要日(5月の晴天日など)の需給イメージ

電気を安定して使うには、常に発電量(供給)と消費量(需要)を同じにする必要があります。そのため、再エネの出力の上下に対応出来る火力発電などで、発電量と消費量のバランスをとる必要があります。

出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー」より作成

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