よくある質問と回答

7-1送電線・配電線からの電磁波(磁界)レベルはどの程度でしょうか?

電磁界情報センターでは、電力設備から生じる電磁波(低周波磁界)について、今までに国際的な測定規格(IEC62110)に基づく測定を実施しました。

その結果、送電線・配電線から生じる磁界の強さは経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことを確認しています。
経済産業省の委託調査でも、送電線・配電線からの磁界レベルは全て経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことが示されています。

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7-2変電所からの電磁波(磁界)レベルはどの程度でしょうか?

電磁界情報センターでは、電力設備から生じる電磁波(低周波磁界)について、今までに国際的な測定規格(IEC62110)に基づく測定を実施しました。

その結果、変電所から生じる磁界の強さは最大で0.71µT(マイクロテスラ)で、経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことを確認しています。
経済産業省の委託調査でも、変電所からの磁界レベルは全て経済産業省の省令に定められた規制値(200μT)よりも低いことが示されています。

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7-3送電線からの距離で電磁波(磁界)レベルはどのように変わるのでしょうか?

電磁界情報センターでは、電力設備から生じる電磁波(低周波磁界)について、今までに国際的な測定規格(IEC62110)に基づく測定を実施しました。

その結果、鉄塔から離れるにしたがって磁界は小さくなることが確認されました。測定値は全て、経済産業省の省令に定められた規制値[200µT(マイクロテスラ)]よりも低いことを確認しています。経済産業省の委託調査でも、送電線からの距離で磁界の強さは急激に減少することが示されています。

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7-4家電製品からの電磁波(磁界)レベルはどの程度でしょうか?

電磁界情報センターでは、家電製品の電磁波(低周波磁界)について、今までに国際的な測定規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。

その結果、家電製品から生じる磁界の強さは最大でも40µT(マイクロテスラ)弱で、全て国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインの制限値(200µT)よりも低いことを確認しています。

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7-5電磁波(電磁界)は測定できるのでしょうか?

電磁波(電磁界)は測定することができます。

ただし、正しく電磁界の値を測定するためには、発生源から測定点までの距離や発生源の周波数、測定器の種類やその測定器が校正されたものかどうか、測定器の測定範囲や誤差などを考慮して測定する必要があります。

なお、電磁界情報センターでは、低周波磁界測定器の貸出を無料(配送料は自己負担)で行っています。

ご要望がございましたら以下のページをご覧下さい。
⇒ 低周波磁界測定器の無料貸出サービス

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7-6電磁波(電磁界)を測定してくれる機関を紹介して下さい。

電磁波(電磁界)を測定する組織や会社の紹介はしていません。
なお、電力設備から発生する電磁界については、各地域の送配電会社が磁界測定を実施しています。詳細につきましては、各送配電会社のウェブサイトなどをご覧下さい。

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7-7電磁界情報センターでは、電磁波(磁界)を測定してくれるのでしょうか?

電磁界情報センター職員の訪問による電磁波(磁界)測定にはお応えしておりませんが、低周波磁界測定器の貸出を無料(配送料は自己負担)で行っています。

ご要望がございましたら以下のページをご覧下さい。
⇒ 低周波磁界測定器の無料貸出サービス

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7-8携帯電話や携帯電話基地局からの電磁波(電波)は、どの様に規制されているのでしょうか?そしてそのレベルは?

携帯電話からの電磁波(電波)は頭部など局所をばく露することを考慮して、携帯電話基地局からの電波は全身をばく露することを考慮して、これらのばく露が体へ影響を与えないように、十分な安全性を考慮して作成された国際的なガイドラインを総務省も採用して国民を防護しています。

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインでは、携帯電話などのように身体の近くで使用される無線機器が発する電波については、一般公衆の局所ばく露に対する基本制限として、比吸収率(SAR)で2W/kg(ワット/キログラム)(頭部と胴体)です。総務省も「電波防護指針」で、局所SARを2W/kgとする「局所吸収指針」を制定しており、これに基づいた規制を「無線設備規則」で実施しています。
携帯電話の機種ごとの局所SARは、携帯電話の各通信事業者のウェブサイトで確認することができます。
ICNIRPガイドラインでは、携帯電話基地局などが発する電波への一般公衆のばく露に関する制限値は周波数によって異なり、例えば800MHz(メガヘルツ)で電力密度4W/m2(ワット/平方メートル)、2~300GHz(ギガヘルツ)で10W/m2です。総務省も「電波防護指針」で、ICNIRPガイドラインと同等の電磁界強度指針値を制定しており、この指針値を超える場所への公衆の立ち入りを防止するための規制を「電波法施行規則」で実施しています。

世界保健機関(WHO)は、携帯電話基地局について「公衆が立ち入る場所(学校や病院を含む)での基地局および無線技術からの 電波ばく露は、通常、国際基準よりも数千倍も低い」と述べています。携帯電話基地局からの電波の強さは、アンテナの向きなどにより、基地局の真下や近くよりも、数百メートル先の地点の方が強くなる傾向がありますが、いずれにしても規制値より低いといえます。

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7-9 IH調理器の電磁波(磁界)を測定したら、鍋と接する天板部で非常に高い数値が見られたのですが、健康への悪い影響はないのでしょうか?

IH調理器から発生する電磁波(磁界)が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
IH調理器からは、電源回路での50・60Hz(ヘルツ)の低周波磁界と、電流を流して鍋を加熱させるコイル部分での20~90 kHz(キロヘルツ)の中間周波磁界が発生します。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。

IH調理器の安全性は、発生する磁界へのばく露によって全身(中枢神経系)にどの程度の電流が流れるのかを、使用時に人が立つ場所での測定に基づいて評価する必要があります。通常の使用時に天板部に人体が接することは考えられません。
電磁界情報センターでは、IH調理器の低周波磁界について、国際的な測定規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。その結果、IH調理器から発生する磁界の強さは、ICNIRPガイドラインの制限値よりも低いことを確認しています。

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7-10低周波磁界測定器の測定原理や測定器の種類について教えて下さい。

磁界測定器の中にはコイルが入っており、磁界の変化に応じてコイルの両端に誘起された電圧の大きさを検知しています。

測定器には、1軸式と3軸式があり、3 軸式のものは、X軸、Y軸、Z軸の3つの方向にそれぞれコイルがあり、それらの合成値が示されるものもあります。また、測定する電磁波(磁界)の周波数に合った測定器を選ぶ必要があります。

なお、近年では様々な種類の磁界測定器が流通しており、中には廉価で、低周波から高周波までの幅広い周波数帯の磁界を測定できるとうたったものも数多くあります。また、スマートフォンやタブレット端末などにインストールすることで身のまわりの磁界の強さを気軽に測定できるとうたった無料の磁界測定アプリケーションもあります。電磁界情報センターでは、これらの測定器やアプリケーションの測定結果に関する問い合わせが多くあるため、低周波磁界[50・60Hz(ヘルツ)]を対象にこれらの測定精度を確認しました。その結果、廉価な磁界測定器の測定値は目安となるものの、JIS規格やIEC規格に準拠した信頼性の高い磁界測定器と比較した上で使用することが望ましいこと、また磁界測定アプリケーションは低周波磁界の測定には適していないことがわかりました。

電磁界情報センターでは、低周波磁界測定器の貸出を無料(配送料は自己負担)で行っています。

ご要望がございましたら以下のページをご覧下さい。
⇒ 低周波磁界測定器の無料貸出サービス

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7-11電磁波(電磁界)を測定する標準的な方法はあるのでしょうか?

国際電気標準会議(IEC)に送電線や変電所などの電力設備から発生する電界及び磁界と家電製品から発生する電界及び磁界の測定方法を定めた規格があります。

電力設備については、「IEC 62110 交流電力システム」、家電製品については、「IEC 62233 家庭用電気機器」という規格です。ただし、これらの規格は、国際標準であり国内の規制(法的な強制力を示すもの)ではありません。
なお、日本産業規格として、JIS C 1911「交流電力システムから発生する電界及び磁界の強さ-公衆の人体ばく露を考慮した測定手順」およびJIC C 1912「家庭用電気機器及び類似機器からの人体ばく露に関する電磁界の測定方法」がありますが、これはそれぞれIEC 62110およびIEC 62233を翻訳し、技術的内容を変更することなく作成されたものです。
高周波電磁界(電波)については、電波法施行規則の基準値への適合を確認する方法として、「無線設備から発射される電波の強度の算出方法及び測定方法」(平成11年郵政省告示第300号)が告示されています。また、その告示に規定されている電波の強度の算出方法及び測定方法等の概略について解説した「電波防護のための基準への適合確認の手引き」(総務省)があります。

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7-12リニアモーターカーは、どのくらいの磁界の強さが発生するのでしょうか?

リニアモーターカー(超電導磁気浮上式鉄道)については、国土交通省が「特殊鉄道に関する技術上の基準を定める告示」に基づき、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の解釈基準」で、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインの制限値以下となるよう施設すること、ならびに測定方法は国際規格(IEC 62110およびIEC/TS 62597)によることを定めています。

東海旅客鉄道(JR東海)は、これらの基準、規格に基づいて、山梨実験線で超電導リニアの磁界測定を公開で行い、その結果を公表しています。これによれば、「沿線、乗降装置および車内のいずれの測定地点においても、測定した磁界の値は国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを下回っていること」、「静磁界については、厚生労働省の植込み型心臓ペースペーカ等承認基準である1mT(ミリテスラ)以下であること」が確認されました。

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7-13新幹線の線路からの電磁波(磁界)は、新幹線が通過した時だけ発生しているのでしょうか?

新幹線は、交流の電気を受電して走行していますので、その周囲には、送電線と似たような電磁波(磁界)が発生していると考えられます。

また、新幹線は、ある区間ごとに電気を供給しているため、その区間内に新幹線が走行している場合は、目の前を走行していなくても磁界が発生している場合もあります。

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7-14携帯電話は、電源を切れば電磁波(電波)は発生しないのですか?

携帯電話の電源を切っている時は、電磁波(電波)は発生しません。
携帯電話の電源を入れている時は、たとえ使用していなくても、携帯電話基地局との接続を維持し、位置情報を確認するため、電波が断続的に発生しています。

7-15テレビのアンテナ線(フィーダー線)から電磁波(電磁界)は発生していますか?

アンテナ線(フィーダー線)の中には、テレビの放送波の信号が流れています。この信号は微弱な電流ですので、その周囲に電磁波(電磁界)は発生していますが、その強さは非常に弱いレベルです。

7-16ヘアドライヤーの電磁波(磁界)が他の家電製品に比べ大きい理由はなぜでしょうか?

使用する距離が近いこと、および、消費電力が大きく電流が大きいためです。

また、ドライヤーの中には、送風用のモーターがありコイル状になっていますが、コイル部分からはコイルの巻き数倍の電磁波(磁界)が発生するため、一般的にモーターの入っている家電製品から発生する磁界は大きくなります。

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7-17送電線や配電線などの電力設備から発生する電磁波(磁界)の強さは、家電製品と同レベルと言われますが、使用時間が違うため同じように扱えないのではないでしょうか?

一般的に使用時間の短い家電製品と、電流が常時流れている電力設備とでは、電磁波(磁界)が発生している時間は異なります。

ただし、磁界には身体に蓄積される性質はありません。また、非常に強い磁界にばく露されることによって生じる刺激作用のような短期的な影響を除いて、長期的なばく露による影響も確認されていません。したがって、磁界ばく露の影響を考える場合、家電製品と電力設備を分けることに意味はありません。
これまでに実施されている多くの疫学研究では、磁界を測定する場合、家電製品と電力設備の両方から生じる磁界をあわせて検討しています。

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多くの方々に電磁波に対する理解を深めていただきたいと考えています。

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