国際がん研究機関(IARC)が発がん性評価結果を更新(Volumes 1-124)
2019.7.9掲載
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、2019年7月5日付で発がん性評価結果を更新しました。
これは、「IARCモノグラフVol.124:夜間の交代制勤務」の概要版の発表に伴うものです。
https://monographs.iarc.fr/agents-classified-by-the-iarc/
この評価では、夜間の交代制勤務が「グループ2A:ヒトに対して恐らく発がん性がある」に分類されています。
https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(19)30455-3/fulltext
IARCは2007年に、「概日リズムの攪乱に関連する交代制勤務」を、実験動物における十分な証拠、ならびにヒトにおける乳がんについての限定的な証拠に基づき、グループ2Aに分類しました。今回の評価でも、ヒトにおけるがん(乳がん、前立腺がん、結腸直腸がん)についての限定的な証拠、実験動物における十分な証拠、実験動物における強い機序的証拠があるとして、夜間の交代制勤務を同じくグループ2Aに分類しています。
なお、電磁界に関する発がん性評価の変更はありません。
※JEICによる注記:
IARCは、化学物質や喫煙などによって及ぼされる発がん性のリスクについての調査・研究と、がん対策を推進する機関です。
IARCの発がん性評価は、対象となる作用因子、たとえば、物理的因子、化学的因子、特殊な環境因子等による定性的な評価(発がん性の性質の程度)をグループ別に分類するものであり、定量的な評価(発がん性の強さ)をするものではありません。
IARCについての更に詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://www.jeic-emf.jp/academic/international/iarc/