- 2008年(平成20年) 7月1日
一般財団法人 電気安全環境研究所(JET)に電磁界情報センター設立 - 2008年(平成20年) 10月20日
第1回電磁界情報センター運営委員会開催 - 2008年(平成20年) 11月4日
電磁界情報センター業務開始
沿革
現在に至る
センター設立の経緯
電磁界情報センターは、経済産業省「電力設備電磁界対策ワーキンググループ(2007年4月発足)」の政策提言を受けて、 電磁界リスクコミュニケーションの増進を目的する中立的な常設機関として設立されました。
経済産業省「電力設備電磁界対策ワーキンググループ」とは
「電力設備電磁界対策ワーキンググループ」とは、経済産業省が、電気事業法に基づく規制対象である電力設備(送電、配電、変電設備)から発生する周波数50Hz・60Hzの電磁界が一般公衆に与える健康影響を対象として、国際的な規制の状況、国内外の研究、WHOのファクトシートを踏まえた規制のあり方、講ずるべき対策等の検討を行うことを目的に設置したワーキンググループです。ワーキンググループの発足から約1年後に以下の政策提言を含む報告書が公表され、電磁界情報センターの設立に至りました。【2.(2)参照】
ワーキンググループ報告書の政策提言:
- 高レベルの磁界への短期的なばく露によって生じる健康影響についての対応
- 電力設備(送・配電線、変電設備)から発生する周波数50Hz・60Hzの磁界について、 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が1998年に定めた一般の人々へのばく露ガイドラインの制限値(参考レベル) (100μT(マイクロテスラ)(50Hz)、83μT(マイクロテスラ)(60Hz))を基準値として採り入れる等必要な諸規定の整備、改正を行うべきである。
- 低レベルの磁界による長期的な健康影響の可能性に係る対応
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- 更なる研究プログラムの推進
- 磁界ばく露と健康影響との関係に不確かさが残っていることから、引き続き、その不確かさを低減させるため、産学官が協力して研究を推進すべきである。
- リスクコミュニケーション活動の充実
- 電磁界の健康リスクに関する正確な情報が国民に届いていない現状を踏まえれば、このような状況を是正するため、電磁界の健康リスクを中心とする様々な情報を収集し、例えば、最新の知見や日常生活におけるばく露状況等の情報について双方向のやりとりをきめ細かく行い、不安や疑問を持つ人々との信頼感の構築を目指すリスクコミュニケーションの増進を目的とした、中立的な常設の電磁界情報センター機能の構築が必要である。
幼稚園、保育所、小学校等多数の子供が定常的に集まる場所、あるいは、その他にも電磁界の健康影響について強い不安を抱いている住民が住む地域では、リスクコミュニケーション活動が特に重要と考えられる。 - ばく露低減のための低費用の方策
- 低レベルの電磁界による長期的影響については、因果関係の証拠が弱く、電力設備からの磁界を低減することが健康リスクを低減するという考えに科学的根拠があるとは言えない。
しかし、磁界レベルの低減に対して何か配慮することは、電磁界の健康影響に不安を抱いている人々とのリスクコミュニケーションの一環として大いに意味のあることと考えられる。
海外では磁界低減方策として適用されている方策が、日本では設計段階で既に盛り込まれているのが実態である。 電気事業者が新たに設置する設備について既に実施してきている高鉄塔化、鉄塔コンパクト化、逆相配列化などの磁界低減に向けた努力を可能な範囲で引き続き継続することが望ましい。