オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が
5Gについての議会からの照会に回答
2019.11.27掲載
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2019年11月25日付で、第5世代(5G)モバイル通信ネットワークの便益と課題についての議会からの照会(parliamentary inquiry)に対する回答を提出しました。
この中でARPANSAは次のように述べています。
「この照会の委託事項(terms of reference)は、5G技術とその応用に焦点を絞ったものでしたが、ARPANSAはこの機会に、5Gの安全性に関する一般的な疑問についての事実に基づく情報を提供したいと思います。
ARPANSAや世界保健機関(WHO)を含む世界中の保健当局は、通信技術から生じるかも知れない健康影響についての科学的証拠を調べてきました。
現在の科学は、モバイル通信に用いられている電波から健康影響が生じるという確立された証拠はない、ということを示しています。これには、導入予定の5Gネットワークも含まれます。
ARPANSAの主席放射線衛生科学者で副長官のGillian Hirth博士は、『私たちは、5Gからの潜在的な健康インパクトについての一部の市民の懸念を認識しています。5Gは安全で、健康上の懸念を生じないというのが、我々の評価です』と述べています。
この分野におけるARPANSAの役割は、「3 kHzから300 GHzまでの無線周波電磁界への最大ばく露レベルについての放射線防護規格」(ARPANSAの規格)の確立に関係しています。
この規格は、国際的な最善慣行(best practice)に従うものであり、また間もなく発表される国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の国際ガイドラインに従い、今後数か月以内に改定される予定です。
Hirth博士は、『この規格は、電波の悪影響から全ての健康状態の子どもと成人を防護するようにデザインされています。この規格における限度値は、組織の加熱等の何らかの有害な影響が生じることが知られているレベルよりも大幅に低いです』と述べています。
オーストラリアにおける5Gの展開、採用、適用についての政府の照会は、『通信及び芸術に関する常設委員会』が扱っており、来年(2020年)はじめまでに完了予定です。」
議会の照会に対するARPANSAの回答の原文は、以下のURLで確認できます。