世界保健機関(WHO)が第5世代モバイルネットワーク(5G)と
健康に関するQ&Aをウェブサイトに掲載

2020.3.9掲載

世界保健機関(WHO)は2020年2月27日付で、「第5世代モバイルネットワーク(5G)と健康」に関する質問と回答(Q&A)をウェブサイトに掲載しました。

このQ&Aの構成は以下の通りです。

  • 5Gとは何ですか?
  • 5Gと従来の技術との主な違いは何ですか?
  • ばく露レベル
  • 5Gからの潜在的健康影響は何ですか?
  • 国際的なばく露ガイドラインとは何ですか?
  • WHOは何をしているのですか?

このうち、「5Gからの潜在的健康影響は何ですか?」という問いに対しては、次のように回答しています。
「これまでに膨大な研究が実施されていますが、健康への悪影響は因果関係としてワイヤレス技術へのばく露と結び付けられていません。健康に関連した結論は、無線周波数全体にわたって実施されてきた研究から導き出されていますが、これまでのところ、5Gに用いられる周波数で実施された研究は極少数です。
無線周波電磁界と人体との相互作用のメカニズムは、主に組織の加熱です。現在の技術から生じる無線周波ばく露レベルは、人体に無視し得る程度の温度上昇しか生じません。
周波数が高いほど、身体組織への浸透度は浅くなり、エネルギー吸収は身体の表面(皮膚及び眼)に限定されます。ばく露全体が国際的なガイドライン以下に留まる限り、公衆衛生に対する結果が生じるとは考えられません。」

また、「WHOは何をしているのですか?」という問いに対しては、次のように回答しています。
「WHOは、5Gを含む無線周波数範囲全体をカバーする無線周波へのばく露からの健康リスク評価を実施しており、これは2022年までに発表予定です。
WHOは、5G技術の導入に伴い、また、公衆衛生に関連したより多くのデータが入手できるようになり次第、この新たな技術へのばく露からの潜在的健康リスクに関連する科学的証拠をレビューします。
WHOは、1996年に国際電磁界プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、周波数が0から300 GHzまでの電界及び磁界へのばく露による健康へのインパクトを調査し、電磁界からの防護について各国当局に助言しています。
WHOは、モバイル技術の全ての側面から生じるかも知れない長期的な健康影響についての更なる研究を支持します。WHOは、関連する優先的研究課題を同定し、これを推進します。また、一般向けの情報資料を策定し、健康とモバイル通信にまつわる理解を高めるため、科学者、政府、一般公衆の間の対話を促進します。」

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