英国の規制当局Ofcomが
5Gとコロナウィルス拡散との関連についての陰謀論を否定する声明を発出
2020.4.23掲載
英国における通信・放送・郵政事業の規制当局であるOfcomは2020年4月17日付で、第5世代移動通信(5G)と新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡散との関連についての「陰謀論」を否定する声明を発出しました。また、最近実施した携帯電話基地局周辺での測定結果もあわせて公表しました。
Ofcomはこの声明で次のように述べています。
「5GがCOVID-9の拡散と関連していると主張する陰謀論があります。これは間違いです。そのような主張についての科学的根拠または信頼できる証拠はありません。
英国の一部では、そのような不正確な主張のため、携帯電話のアンテナタワーが破壊されています。携帯電話事業者のエンジニアが嫌がらせを受ける事例もあります。
破壊行為によって携帯電話のアンテナタワーが機能を停止したり、エンジニアに対する嫌がらせによってネットワークの修理や保守ができなくなったりすれば、緊急サービス[訳注:警察・消防]や国家保健サービス(NHS)を呼ぶ、あるいは友人または家族と連絡するための人々の能力を損なうことになります。携帯電話はボランティアが地域社会に対する支援を組織するためにも使われています。これには、医薬品を集める、自己隔離のために自宅から出られない人々のために食品を入手する等が含まれます。
もし携帯電話ネットワークが使えなくなれば、これらのことは全てリスクにさらされ、人々の安全と福祉にとって深刻な脅威となります。コロナウィルス蔓延の最中、Ofcomは約2000人の人々を対象に、この危機についてのニュースや情報をどのように入手しているか毎週調査しています。ロックダウン3週目にあたる先週、回答者の半数はコロナウィルスについての虚偽の、または誤解を招く情報に接したと答えました。これはロックダウン1週目の46%から上昇しました。
従来世代のモバイル技術と同様に、5Gは電波を利用しています。TV、自動車のキーレスエントリー、ベイビーモニター、ワイヤレスマイク、衛星通信等の、ワイヤレスで通信するデバイスは、どれも電波を必要とします。携帯電話はアンテナタワーとの接続のために電波を利用し、それによって人々は通話したりインターネットにアクセスすることができます。
Ofcomは、電波測定プログラムの最新の結果を公表しました。これには、6か所の5G立地点が追加されています。英国での昨年の5G導入開始後、我々は国内16か所での測定結果を発表しました。その後も検査を継続し、今回の最新版では国内10都市の22か所の5G立地点に着目しています。
どの立地点でも、電波放射レベルは国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が策定した国際的なガイドラインよりも大幅に低いものでした。
全ての立地点での最も高い測定値はガイドラインのレベルの約1.5%で、これには3Gや4Gといった、その他のモバイル技術からの信号も含まれます。5G信号からの最も高いレベルは、ガイドラインに規定された最大値の0.039%でした。我々は、更なる5G立地点を含む、測定プログラムのデータの定期的な公表を継続します。」
Ofcomの声明、ならびに測定結果の原文は、それぞれ以下のURLで確認できます。