国際がん研究機関(IARC)が
発がんハザードの同定についての
ウェブサイトを更新(Volumes 1-128)
2020.11.30掲載
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、2020年11月27日付で「ヒトに対する発がんハザードの同定についてのIARCモノグラフ」のウェブサイトを更新しました。
これは、「IARCモノグラフVol.128:アクロレイン、クロトンアルデヒド、アレコリン」の概要版の発表に伴うものです。アクロレインおよびクロトンアルデヒドは工業用化学物質として大量生産されており、また、たばこの煙、環境大気汚染、高温に加熱された一部の調理油中にも存在します。アレコリンはビンロウ(檳榔:漢方薬の一種)の主な有効成分です。IARCの作業部会は、「実験動物における発がん性の十分な証拠」、および「発がんメカニズムの強い証拠」に基づき、アクロレインを「ヒトに対して恐らく発がん性がある(グループ2A)」と評価しました。クロトンアルデヒドおよびアレコリンは、「発がんメカニズムの強い証拠」に基づき、「ヒトに対して発がん性があるかもしれない(グループ2B)」に分類されました。
モノグラフVol.128についての情報は、以下のウェブサイトから入手可能です。
なお、電磁界に関する発がんハザードの分類の変更はありません。
JEICによる注記
IARCは、化学物質や喫煙などによって及ぼされる発がんハザードの同定のための調査・研究と、がん対策を推進する機関です。
IARCによる発がんハザードの同定は、対象となる作用因子、例えば、物理的因子、化学的因子、特殊な環境因子等による定性的な評価(発がんハザードの証拠の確かさの程度)をグループ別に分類するものであり、定量的な評価(発がん性の強さ)をするものではありません。
IARCについての更に詳しい情報は、こちらをご覧下さい。