ドイツ連邦放射線防護局(BfS)が
比吸収率(SAR)の低い携帯電話を推奨
2021.01.08掲載
ドイツ連邦放射線防護局(BfS)は2020年12月16日付の報道発表で、携帯電話等のスマートデバイスを購入の際には比吸収率(SAR)が低いものを検討するよう推奨しました。
スマートフォンやタブレット端末は身体、特に頭部の近くで使用され、放射されたエネルギーの一部は吸収され、熱に変換されます。SARはこのエネルギー吸収の尺度で、キログラムあたりのワット数(W/kg)で表されます。
BfSは、ドイツ国内で市販されているスマートフォンおよびタブレット端末のSARについて取りまとめたリストをインターネットサイトで公開しています。BfSはこのリストを定期的に見直し、現在は第5世代(5G)端末を含めて88社製の3744機種を対象としています。国際的なガイドラインに従い、SARは2 W/kgを超えてはならないとされています。また、ドイツ独自の「ブルーエンジェル」ガイドラインでの低放射デバイスの要求事項である「頭部でのSARが0.5 W/kg以下」を満たすものは、SARリストで緑色のマークが付けられています。
BfSのInge Paulini局長は次のように述べています。
「新たなデバイスを購入する際には、最新の5G通信規格に対応しているかどうかといった技術的な特徴だけでなく、電波防護についても考慮することが望ましいです。SARリストの検索機能を使えば、購入を検討しているデバイスのSARを確認できます。
最新の科学的知識によれば、携帯電話使用によって生じる電磁界と人の病気との因果関係について確認された証拠はありません。5Gの技術的側面は新しいものですが、そこで利用されている電磁界は同じものです。
同様に、電磁界の利用の基礎をなす物理的および生物学的な作用メカニズムも同じです。このため、制限値を遵守している限り、5Gによって健康影響が生じるとは考えられません。」
BfSの報道発表の原文およびSARリスト(どちらも英語)は、それぞれ以下のURLで確認できます。