オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が
電波ばく露についての安全基準の改定版を発表
2021.2.25掲載
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA) は2021年2月25日付で、電波ばく露についての安全基準の改定版 「放射線防護基準シリーズS-1 無線周波電磁界へのばく露の制限のための基準‐100 kHzから300 GHzまで( Radiation Protection Standard Series-1: RPS-S1)」を発表しました。
この新基準は、ARPANSAが2002年に発表した旧基準(RPS 3)に置き換わるもので、 Wi-Fiや第5世代移動通信(5G)等のワイヤレス通信に用いられている電波を含む、 100 kHzから300 GHzまでの範囲の無線周波(RF)電磁界への一般公衆および労働者のばく露制限を規定しています。
ARPANSAの評価・助言部の副部長であるDr. Ken Karipidisは次のように述べています。
「この新基準は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が策定した国際ガイドライン改定版、ならびにRFエネルギー全体についての膨大な科学的研究を用いて制定しました。 この新基準のばく露限度は継続して保守的なものとされています。つまり、有害性が生じ得るレベルよりも遥かに低く、電波を用いる新規および既存の全ての技術からコミュニティを防護しています。」
ARPANSA長官のDr. Carl-Magnus Larssonは次のように述べています。
「この新基準は、健康と安全を増進し、電磁エネルギーについての間違った情報に対処することを目的とした、 オーストラリア政府の電磁エネルギープログラムの強化のための重要な要素の一つでもあります。」
またARPANSAは、新たな行動計画の下で、以下に関与することを表明しました。
- コミュニティにおける電波ばく露レベルの評価を継続する
- 電波についての主導的な研究に助成する
- 世界クラスの電波研究所を設立する
- 電波科学について国際機関と協業する
- 電波と健康についての間違った情報に対処するためにオーストラリアのコミュニティと協力する
この新基準は発効し、今後数か月以内に、通信・製造・保健部門の関連する規制当局がこれを施行すると見込まれています。
この新基準についての新基準の全文および補足情報、ならびに報道発表は、それぞれ以下のURLから入手可能です。