フランス国家周波数庁(ANFR)が
市販の携帯電話の比吸収率の調査結果を発表

2021.10.06掲載

フランス国家周波数庁(ANFR)は2021年9月28日付で、同国内で市販されている携帯電話46機種の比吸収率(SAR)の調査結果についての中間報告を発表しました。第5世代(5G)移動通信用の13機種を含む44機種は同国の規制値に適合していることが確認されましたが、2機種は規制値を超過していました。これらについては、製造者がソフトウェアのアップデートによって対応しました。

今回のSAR調査結果の発表は、一般公衆の電磁界ばく露を管理するANFRの責務の一環として実施されたものです。ANFRは長期的には、5Gスマートフォンを含む140機種の調査を計画しています。

同国でサービスが開始されている3.5 GHz帯の5G技術では、第4世代(4G)と5Gの2つのネットワークを同時に利用しています。この動作モードは、ANFRの研究所の新たなSAR測定によって分析が可能となりました。その結果、5Gによる追加的な寄与は非常に少なく、平均して頭部および胴体に対するSARで0.4%、四肢に対するSARで1.8%でした。

規制値を超過していることが判明した2機種については、規制値以下となるようにソフトウェアのアップデートにより送信電力が削減されました。

ANFRによる調査結果の原文(フランス語)は、以下のURLから入手可能です。

JEICによる注記

SARは、携帯電話から発せられた電波が人体に吸収される際のエネルギー量で、単位はW/kg(ワット毎キログラム)で表されます。一般公衆のばく露についてのフランスの規制値は、任意の組織10 gあたり平均で2 W/kg(頭部および胴体への局所ばく露)または4 W/kg(四肢への局所ばく露)です。この値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の2020年の高周波電磁界ガイドラインにおける一般公衆に対する基本制限値、ならびに日本の総務省電波防護指針における一般環境での基準値と同じです。

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