オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が
電波の環境影響についてのレビューを開始
2022.1.28掲載
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2022年1月27日付で、電波が環境に及ぼす影響についての科学的証拠の系統的地図の作成を、同国のスウィンバーン大学と共同で実施すると発表しました。
この系統的地図の作成のためのプロトコルの提案が、学術誌Environmental Evidenceに掲載されました。この地図作成では、査読付きおよびグレーゾーンの[評価が分かれる]英語の論文を対象とし、自然環境中で実施された研究と、実験室、ケージ、水槽等で実施された研究の両方をカバーします。
ARPANSAの健康影響評価部門の副責任者であるKen Karipidis准教授は次のように述べています。「電波が環境中の動植物に悪影響を及ぼすかどうかについての入手可能な全ての証拠を系統的に照合することには大きなニーズがあります。」
現行の国際的なガイドラインはヒトの健康の防護のためにデザインされており、特に動植物を電波から保護するための国際的なガイドラインは今のところありません。
Karipidis准教授は次のように述べています。
「この地図は、研究における何らかの欠落を特定する助けになります。また、環境保護のための将来の国際的なガイドラインのための基礎作りの助けになるでしょう。」
この系統的地図は、健康と安全を促進し、電磁エネルギー(EME)放射についての誤報に対処することを意図した、ARPANSAのEMEプログラムの下で実施されています。
この系統的地図の作成についての報道発表の原文は、以下のURLから入手可能です。
JEICによる注記
オーストラリアでは「電磁エネルギー(EME)」という用語が「電磁界」と同じ意味で用いられています。