国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が年次活動報告を発表

2022.3.8掲載

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、2021年の年次活動報告を発表しました。この中で、2020~2024年の作業計画として、非電離放射線(NIR)の健康と安全性の向上のための重要な情報を提示する複数のプロジェクトグループ(PG)が現在進行中としています。

電磁界(0 Hz~300 GHz)に関連するPGの活動については、以下のように述べられています。

  • 高周波(RF)の知識のギャップについての声明
    「ガイドライン策定中に同定された知識のギャップ」についてのPGは、特にガイドライン策定中に同定されたギャップに基づき、NIR周波数全体についての研究課題を起草するため、Carmela Marino博士の主導の下で設置されました。ICNIRPの研究課題は、防護ガイダンスの提示に関連した知識のギャップの同定を意図しています。「『時間変化する電界および磁界へのばく露制限に関するガイドライン(1 Hzから100 kHzまで)』に関連する知識のギャップについてのICNIRPの声明」を2020年に発表した後、同PGは現在、RFの知識のギャップについての同様の文書の策定に取り組んでいます。
  • 環境に対する非電離放射線の影響
    Eric van Rongen博士が主導するPGが、環境(自然環境中の動植物)に対するNIRの影響についての声明を作成します。 ICNIRPが2000年に同定し、より最近ではドイツ連邦放射線防護局(BfS)が2019年に確認したように、生活環境に対する電磁界の影響があるかどうかはまだ確認されておらず、この不確かさは主に、適切なデータがないことによります。このため、ICNIRPのプロジェクトグループは、電磁界の環境影響の全体像を提示し、可能であれば、現行のヒトに対するばく露ガイドラインが自然環境中の動植物に対して十分に防護的かどうかを分析することを意図しています。探索および構成段階の後、このPGは2022年後半に作業を開始することが期待されています。
  • 低周波(LF、10MHz以下)ガイドラインの改定
    Rodney Croft博士が主導するPGが、ICNIRP 2009(静磁界)、ICNIRP 2010(低周波)およびICNIRP 2014(誘導電界)の各ガイドラインを統合したガイドラインの更新版を策定します。適宜、2020年のRFガイドラインの基礎をなす論理が用いられます。このPGの成果はその後、単一のガイドライン(300 GHzまで)を形成するため、2020年のRFガイドラインと統合されるかもしれません。このPGは、別のPG(LFドシメトリ[ばく露評価])が担当する、ドシメトリに関する文献はレビューしないという点に留意してください。
  • LFドシメトリのレビュー
    平田晃正博士が主導するPGが、LFドシメトリおよび関連する物理学についての系統的レビューを作成します。これは、LFガイドラインの改定(上述)のためのドシメトリの基礎を提示するものです。探索および構成段階の後、このPGが2022年後半に作業を開始することが期待されています。

ICNIRPの年次活動報告の原文は、ICNIRPの以下のURLから入手可能です。

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