オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が年次報告2021-2022を発表
2022.10.27掲載
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2022年10月26日付で、ARPANSAの2021-2022年の活動内容についての年次報告を発表しました。
この年次報告は、当該期間におけるARPANSAの活動として以下を強調しています。
- 原子力潜水艦の取得を含む同国政府の戦略的イニシアティブにおけるARPANSAの関与
- 同国のがん治療プログラムの安全性と品質の支援
- 同国政府の電磁エネルギー(EME)プログラムの進捗
この年次報告の冒頭で、ARPANSAの最高執行官(CEO)のDr.Gillian Hirthは、EMEについて次のように述べています。
「携帯電話ネットワークおよびその他のワイヤレス通信波源は、低レベルの高周波(RF)EMEを発します。一部の市民は、これが健康に悪影響を及ぼすかもしれないと懸念しています。
我々は今年、オーストラリア政府のEMEプログラムの下で進行中の支援を通じて、重要な利害関係者と協働し、RF EMEの科学についての信頼性のある情報を提供し、誤情報に対処し、第5世代移動通信(5G)における高いレベルの関心に対応しました。これには、地域社会におけるEMEばく露レベルの測定、国際的なフォーラム(世界保健機関(WHO)等)への関与、EME基準の制定および維持管理、利害関係者に対するEMEと健康についての専門家の科学的助言の提示、が含まれます。
2022-23会計年度には、一部の5G技術に用いられるミリ波周波数に対応し、ARPANSAが科学的研究の最前線に留まることを担保する、新たな電波暗室の建設が完成することを期待しています。」
この年次報告の原文は、以下のURLから入手可能です。
JEICによる注記
オーストラリアでは「電磁エネルギー(EME)」という用語が「電磁界」と同じ意味で用いられています。