世界保健機関(WHO)がRF電磁界と健康リスクについての
タスクグループメンバーを公表

2022.12.20掲載

世界保健機関(WHO)は2022年12月15日付で、高周波(RF)電磁界と健康リスクについてのタスクグループメンバー21人を公表しました。日本からは、牛山明博士(国立保健医療科学院)および渡辺聡一博士(国立研究開発法人情報通信研究機構)がメンバーに含まれています。

WHOは同日付の公告(Public Notice)で次のように述べています。

技術的/規範的助言の提供に関わるWHOの会合および活動に関連して、利益相反の管理を強化するため、ならびに、公衆の信頼と透明性を高めるため、WHOが招集するガイドライン策定グループへの参加が検討されている個々人の氏名および簡潔な経歴(「公開情報」)を公告とコメントのために開示します。

この公開情報は、専門家自身によって提供され、その責任は対象の個々人のみにあります。WHOは提供された公開情報の正確性、真実性、完全性に責任を負いません。更に、WHOはいかなる場合にも、この公開情報の利用、およびそれに対する依存に関連した損害に対し、責任を負う、または責任を問われることは一切ありません。

公告およびコメントプロセスを通じてWHOが受理したコメントは、秘密厳守で扱われます。コメントは全て、e-mailアドレス:emfproject@who.ing 宛に送付する必要があります。このプロセスを通じてWHOの注意を引いたコメントは、WHOの利益相反評価プロセスの不可欠な構成要素であり、慎重にレビューされます。WHOはこのプロセスを通じて受理した、該当する専門家についての情報を検討し、その専門家に対して情報提供者の氏名および所属を開示する権利を留保します。このプロセスを通じて受理した情報のレビューおよび評価に際し、WHOは、独自の裁量で、その方針に則って適切な管理措置を講じることがあります。

ガイドライン策定グループはWHOに対し、技術的および/または規範的な助言および勧告を提供します。WHOが招集するガイドライン策定グループへの参加は、該当する専門家が表明した見解がWHOに共有される、および/または[その見解が]WHOの決定または方針の表明を代表するということを、必ずしも意味しません。

参加する専門家のリスト、その専門家によって開示された関連する利益の要約、および、利益相反の管理に関連したWHOによって講じられる適切な緩和措置は、WHOの方針に則って公開されます。

背景情報

RF電磁界(周波数100 kHzから300 GHzまで)へのばく露は1950年代以降、徐々に増加しており、これは当初は主にラジオおよびTV信号、より最近ではワイヤレス通信が含まれます。RFばく露の特徴は時間と共に変化しており、世界中での新技術の展開に伴いさらに変化すると予想されています。ワイヤレス技術は世界中の全ての国で認められ、多くの発展途上国は固定回線ネットワークではなくワイヤレスネットワークを主な通信手段として利用しています。RF電磁界はどこにでも存在し、それへのばく露が増加していることから、RF電磁界にはヒトに対して健康への悪影響があるかどうかを確立し、可能な限り、健康リスク評価を実施することが重要です。

WHOのレビューの目的および望まれるインパクト

このニーズにこたえるため、WHOは、一般公衆および労働者の集団におけるRF電磁界へのばく露の潜在的健康影響の評価のためのプロジェクトを進めています。入手可能な証拠の分析及び合成は、WHO環境保健クライテリア(EHC)シリーズのモノグラフとして出版されます。これには、関連する複数の健康結果(がん、負の生殖結果、認知障害および症状)ならびに生物学的結果(加熱および酸化ストレス)に関連した、スコーピングレポートおよび一連の委託された系統的レビューからの情報が提供されます。

タスクグループの役割

科学的評価のためのWHOのプロセスに従い、タスクグループはWHOを以下のように支援します。

  • スコーピングレポートの草稿をレビューし、健康に対するRFばく露の影響についての結論を導出する。
  • 研究の質の主要な規準としての酸化ストレスの測定
  • スコーピングレポートおよび系統的レビューの結果に基づき、EHCモノグラフにおける個々の結果についての全体的な健康リスク評価を策定する。
  • 国の優良実践介入策を編纂する。
  • 研究の欠落を同定する。

タスクグループはオンラインおよび/または対面での会合を通じて事務局を支援し、科学的文言および結論について書面でのインプットを提供します。タスクグループには、全体会合に少なくとも二回、通常は各回2~3日間、ヴァーチャルまたは対面で参加することが期待されます。暫定的な電話会合が求められることもあります。このプロジェクトは2023年12月までに終了

タスクグループメンバーの簡潔な経歴

(氏名・国籍のみ表示、経歴は省略)

  • Hajo ZEEB [Chair] (Germany)
  • Jos VERBEEK (The Netherlands)
  • Young Hwan AHN (South Korea)
  • Anssi AUVINEN (Finland)
  • Elisabeth CARDIS (Spain)
  • Rene de SEZE (France)
  • Stacy ELTITI (UK)
  • Serena FIOCCHI (Italy)
  • Magnus KAIJSER (Sweden)
  • Hans KROMHOUT (The Netherlands)
  • Ilkka LAAKSO (Finland)
  • Hae-June LEE (South Korea)
  • Sarah LOUGHRAN (Australia)
  • Gregory W MCGARR (Canada)
  • Alberto MODENESE (Italy)
  • Enembe Oku OKOKON (Nigelia/Australia)
  • David A. SAVITZ (USA)
  • DJanine SCHMIDT (Germany)
  • 牛山 明(日本)
  • 渡辺 聡一(日本)
  • Tongning WU (Canada)

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