欧州における超低周波電磁界へのばく露状況
2011.09.16掲載
≪欧州における超低周波電磁界へのばく露状況≫
- 電磁界ばく露の健康リスク評価に関する欧州ネットワーク(EFHRAN; European Health Risk Assessment Network on Electromagnetic Fields Exposure)が、「欧州連合におけるばく露レベルに関する報告書 第2部:超低周波電磁界」と題する報告書を公表しました。この報告書は、これまでに欧州域内を中心に行われてきた電磁界の測定あるいはばく露評価に関するデータをまとめたもので、結論として、
- 一般公衆のばく露レベルは、一般的に0.01~0.1μT程度。人口の約0.5%が、送電線などの発生源によって平均0.2μT以上のばく露を受けている。
- 日常的なばく露は家電製品によるものが主であるが、ばく露時間はきわめて限られている。
- などと記されています。
報告書は下記リンクから入手可能です。
欧州委員会には、2008年まで電磁界に関する研究やリスク評価、リスク管理などの調整を行うための”EMF-NET”というプロジェクトがありましたが、EFHRANはこのプロジェクトを引き継ぐ形で立ち上げられたプロジェクトです。プロジェクトの目的は、各種研究に基づく電磁界ばく露の健康リスク分析、電磁界ばく露の定量的評価、リスクの特徴付け、およびコミュニケーションなどです。イタリア、スペイン、英国、スロベニア、デンマーク、フランス、およびハンガリーの研究機関が参加していて、欧州委員会に設置された特定プログラム実施機関であるEAHC(Executive Agency for Health and Consumers)の支援を受けて推進されています。
EFHRANでは、上記の報告書の他に、これまでにも次のような報告書を公表しています。
- 2010年7月-電磁界へのばく露に関連するリスクの分析報告書:in vitroおよびin vivo研究
- 2010年7月-電磁界への人体ばく露のリスク分析
- 2010年8月-欧州連合におけるばく露レベルに関する報告書:無線周波数放射
報告書「第2部:超低周波電磁界」に加え、これらの報告書についても、今後、電磁界情報センターで内容分析のうえ紹介する予定です。