インターフォン研究に関するUICC(国際対がん連合)へのIARC(国際がん研究機関)報告書の公表
2012.03.23掲載
≪インターフォン研究に関するUICC(国際対がん連合)へのIARC(国際がん研究機関)報告書の公表≫
IARC News欄の見出しで、『インターフォン研究(携帯電話使用時の無線周波電磁界と4種類の頭頚部がん(神経膠腫、髄膜種、聴神経鞘腫、耳下腺腫瘍)のリスクとの関連可能性に焦点を当てた、IARCのコーディネートによる一連の国際症例対照研究)は、2010年および2011年の主要な科学的論文と本日公表するこの最終報告書をもって正式に完了しました。この国際的な研究チームは、ライフスタイル上の諸要因、職業ばく露、健康状態と医学的検査、または特定の環境ばく露など、これらのがんのリスク要因として可能性があるものを同定するために、今後もこの研究基盤を利用した共同研究を継続します。』と述べています。最終報告書の結論は、以下のとおりです。
[神経膠腫および髄膜種]
全般的に言えば、携帯電話の使用に関連した神経膠腫あるいは髄膜種のリスクに上昇は観察されませんでした。最も高いばく露レベルにおいて神経膠腫のリスク上昇が示唆されましたが、バイアスおよび誤差があるため、これを因果関係と解釈することはできません。長期間のヘビーユーザにおける影響の可能性ついては、更なる調査が必要です。
[聴神経鞘腫]
携帯電話をこれまで規則的に使用していること、または参照日の10年以上前から規則的使用を始めたことに関連した聴神経鞘腫のリスク上昇はありませんでした。累積通話時間の最高レベルにおいて観察されたオッズ比上昇は、偶然、申告バイアス、または因果的な影響によるものであるかも知れません。聴神経鞘腫は通常ゆっくり増殖するため、もし影響があるとしても、影響を観察するには、携帯電話導入と腫瘍発生の時間の隔たりが余りに短すぎたかも知れません。
(この最終報告書の作成者は、ディレクターのChristopher Wild博士、作成日は2011年10月3日です。)
下記ウェブサイトで内容を確認することができます。