新規の手法を用いた総合的電磁界研究(GERoNiMO)プロジェクト
2014.1.29掲載
スペインの環境疫学研究センター(CREAL)は、2014年1月21日付で「新規の手法を用いた総合的電磁界研究(GERoNiMO):電磁界の健康影響についての欧州の新たなプロジェクト」 に関するプレスリリースを行いました。以下にその要約を紹介いたします。
【要約】
欧州の人々は、健康に害を及ぼし得るような環境中の新たな物理的及び化学的因子にますます曝露されていて、中でも電磁界は最も広範なもので、新技術における電磁界の応用は増え続け、新規の用途が積極的に開発・商業化されています。電磁界に関連して生じ得る健康影響について懸念する一般公衆及び公衆衛生専門家もいますが、これまでの研究結果には一貫性はありません。このプロジェクトは、電磁界の健康影響についての知識のギャップを埋め、ばく露低減を提案しています。この目的のため、統合的なアプローチを用いて、19の研究機関、13か国から集まった異なる専門分野(生物学、工学及び物理学、疫学及び公衆衛生、放射線防護、リスク評価及びコミュニケーション)の研究者が協力して、以下のような電磁界に関連する特に重要な疑問に対処します。
- 電磁界によって生じ得る健康影響の基になるメカニズムのより良い理解
- 欧州の現在及び将来の電磁界ばく露レベルのより良い特徴付け
- 電磁界と健康についての知識の現状
- 電磁界の健康リスク評価の改善
- 政策策定の強化と電磁界ばく露の低減のための技術以外の手段の提案
このプロジェクトは5か年計画で、環境疫学研究センター(CREAL)の放射線プログラム部門長のエリザベス・カーディス教授がコーディネートし、欧州連合(EU)が助成しています。プロジェクトでは、例えば、盗難防止装置に使用される中間周波の無線周波数(数kHz)や電子レンジの周波数に焦点を当てます。また、補完的なアプローチとして、癌、神経変性疾患、行動、生殖成果と老化のリスクに関する潜在的な影響も調査します。
なお、GERoNiMOプロジェクトの科学諮問委員として、日本からは電磁界情報センターの大久保千代次が参加しています。
発表された文書は、下記URLで確認することができます。不明な点は、原文をご参照ください。