国際がん研究機関(IARC)の隔年報告 2012-2013

2014.2.3掲載

国際がん研究機関(IARC)は1月28日付で、過去2年間の活動内容を取りまとめた「隔年報告2012-2013(原文タイトル:IARC Biennial Report 2012-2013)」を発表しました。電磁界に関しては、「環境及び放射線部門」の章で「電磁界とがんのリスク」(p.62-63)として次のように紹介されています。

  • 科学的評価は、超低周波(ELF)磁界と無線周波(RF)電磁界の両方を、ヒトに対して発がん性があるかも知れない(グループ2B)に分類しています。このことは、更なる研究が必要であることを示しています。
  • ELF磁界は2001年にグループ2Bと分類されましたが、疫学的証拠で小児白血病についての弱い関連が示唆されているものの、実験研究では作用のメカニズムが見つけられませんでした。ELF磁界と生存率や再発リスクとの関連を調べるため、6か国で3,000人を超える白血病の子供を対象とする多国間協力が開始され、診断後の10年間にわたって追跡調査されましたが、関連は認められず、小児白血病の結果を予測する上でELF磁界が役割を担っているという証拠は得られませんでした。
  • 携帯電話使用に関連した脳腫瘍のリスクについては、今日までの研究は一貫していません。全体的なリスク上昇は示唆されていないものの、携帯電話のヘビーユーザーにおけるリスク上昇は排除できません。携帯電話は最近の技術なので、より長期間の観察が必要です。全体として、より最近の研究は、先行研究(主に症例対照研究)の知見を弱めているように見えますが、特に携帯電話のヘビーユーザーが参加する前向き研究は有益です。

発表されたレポートは、下記URLで確認することができます。不明な点は、原文をご参照ください。

URL:http://www.iarc.fr/en/publications/pdfs-online/breport/breport1213/index.php

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