スウェーデン放射線安全庁(SSM)の電磁界に関する科学評議会からの報告

2013.5.8掲載

○スウェーデン放射線安全庁(SSM)の電磁界に関する科学評議会からの報告

スウェーデン放射線安全庁(SSM)の「電磁界に関する科学評議会」は、電磁界の健康影響に関する現在の研究及び知識の状況についての第8次報告を公表しました。

この科学評議会は、研究状況のモニター、リスクの評価、承認及び最適化についてSSMに助言を与えています。
本報告の目的は、電磁界の分野における2011年~2012年の研究をモニターし、リスク評価のための重要な基礎情報を提示するものです。

今回報告の主旨は、以下のとおりです。

  • 超低周波(ELF)磁界が、小児白血病の進行に対して、何らかの影響を及ぼすかどうかという疑問は依然として未解明である。
  • ELF磁界の居住環境ばく露とアルツハイマー病についての新たな研究は認められておらず、不確かさは依然として変化していない。
  • 2011年にIARCが無線周波(RF)電磁界をヒトに対して発がん性があるかもしれない(グループ2B)に分類したが、その後の多数の疫学研究及び各国のがん発症率の統計データは全体として、携帯電話使用と神経膠腫またはその他の腫瘍の発症とを説得力をもって結びつけていない。
  • 子供及び若年者の脳腫瘍リスクについて確たる結論を導くには時期尚早であるが、入手可能な文献は今のところリスク上昇を示していない。
  • 携帯電話ばく露からの最も一貫性のある観察された生物学的影響は、ヒトボランティア研究における脳電図のアルファ帯のパワー増強であるが、その根底にあるメカニズムはまだ理解されていない。
  • 携帯電話基地局、ラジオ/テレビ放送設備、家庭または学校でのワイヤレス・ローカルデータネットワークからのRF電磁界へのばく露に関連した、一般公衆の健康リスクを示していない。
  • 幾つかの実験的誘発研究(主にRF電磁界)では、自身が電磁過敏症だと見なしている個人及び健康なボランティアに対し、偽ばく露または実ばく露をしたが、偽ばく露よりも実ばく露で症状が多く生じることはなかった。
  • 複数の研究で、ノセボ効果すなわち有害なものがあるという予測によって生じる悪影響が示されている。

公表された文書は、下記URLで確認することができます。不明な点は、原文をご参照ください。

URL:http://www.stralsakerhetsmyndigheten.se/Global/Publikationer/Rapport/Stralskydd/2013/SSM-Rapport-2013-19.pdf

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