欧州委員会からSCENIHR(新興及び新規に同定される健康リスクに関する科学委員会)に要請した「電磁界(EMF)ばく露の健康影響の可能性に関する科学的意見の提出」に関するパブリックコメント募集に寄せられたコメントについて

≪欧州連合≫
○欧州委員会からSCENIHR(新興及び新規に同定される健康リスクに関する科学委員会)に要請した「電磁界(EMF)ばく露の健康影響の可能性に関する科学的意見の提出」に関するパブリックコメント募集に寄せられたコメントについて

当センターホームページのこの欄で12月16日に、欧州委員会がSCENIHRに対して「電磁界(EMF)ばく露の健康影響の可能性に関する科学的意見の提出要請」について紹介しましたが、その後、要請内容に関するパブリックコメント募集があり、欧州委員会保健・消費者総局(DG SANCO)から結果が公表されました。その内容は、下記のウェブサイトで確認することができます。

http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/emerging/docs/scenihr_q_029_cons.pdf

電磁界情報センターでは、その内容の日本語訳を作成しましたので紹介します。不明な点は原文をご参照ください。

(内容)

このパブリックコメント募集は、EUの非食品科学委員会のウェブサイト上で、2011年12月13日から2012年1月27日まで行われていました。この募集については、各国関係当局、国際機関、その他の利害関係者に広く周知されました。

総計36件のコメントが、19人の個人と13の組織体(事業体3、NGO 8、学術機関2)から寄せられました(1人の個人、1つのNGOからそれぞれ3回の投稿あり)。個人の中にはコメントを寄せたNGOに属する人もありましたが、個人としてもコメントを寄せました。

それぞれのコメントを本委員会は丁寧に検討しました。SCENIHRへの科学的意見提出の要請の内容は適切で完璧であると賛同するものが18件、異議ありが4件、部分的賛同が13件でした。異議の理由として、研究実施を要望する、IARC発がん分類の方法論についての理解を深める取り組みを要請する、潜在的環境影響やリスク管理と規制の諸問題への取り組みを要請することなどがありました。しかしながら、これらの要請は全てSCENIHRの責任範囲外の事項です。SCENIHRの役割は、入手できる科学的証拠の評価に限定されています。研究、リスク管理、規制の提案、および環境問題の検討はSCENIHRの範囲外です。

多くの投稿が提供してくれた科学文献は、今後、SCENIHRが検討すると思います。また、ばく露特性明確化の重要性を認識する必要を強く主張するコメントがありました。これは、リスク評価において繰り返し問題になる要点であり、SCENIHRの作業で考慮する予定であります。

以上の理由により、当初に示したSCENIHRへの要請内容に変更はありません。

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