国際がん研究機関(IARC)が発がんハザードの同定についてのウェブサイトを更新(Volumes 1-134)

2023.7.19掲載

世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、2023年7月14日付で「ヒトに対する発がんハザードの同定についてのIARCモノグラフ」のウェブサイトの「IARCモノグラフで分類された因子」のページ
https://monographs.iarc.who.int/agents-classified-by-the-iarc/を更新しました。
これは、「IARCモノグラフ Vol. 134:アスパルテーム、メチルオイゲノール、イソオイゲノール」の概要版の発表に伴うものです。

アスパルテームは低カロリーの人工甘味料の一種で、1980年代から食品・飲料に広く使用されています。その他の用途には、化粧品、医薬品、たばこ製品が含まれます。
メチルオイゲノールは風味・香り付けのための化合物の一種で、各種のハーブやスパイスの精油中に自然に存在することから、各種の食品・消費者向け製品中に存在します。
イソオイゲノールは風味・香り付けのための化合物の一種で、多くの植物種および木材の煙中に存在します。食品・化粧品・家庭用製品・動物用飼料・動物用医薬品に用いられています。

IARCの作業部会は、アスパルテームに関して、ヒトにおけるがんについての「限定的な」証拠、実験動物におけるがんについての「限定的な」証拠、メカニズムについての「限定的な」証拠に基づき、「グループ2B(ヒトに対して発がん性があるかもしれない)」に分類しました。
メチルオイゲノールに関しては、ヒトにおけるがんについての「不十分な」証拠、実験動物におけるがんについての「十分な」証拠、メカニズムについての「強い」証拠に基づき、「グループ2A(ヒトに対しておそらく発がん性がある)」に分類しました。
イソオイゲノールに関しては、ヒトにおけるがんについての「不十分な」証拠、実験動物におけるがんについての「十分な」証拠に基づき、「グループ2B(ヒトに対して発がん性があるかもしれない)」に分類しました。

モノグラフ Vol. 134についての詳細な情報は、以下のウェブサイトから入手可能です。
https://monographs.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-evaluation-of-the-carcinogenicity-of-aspartame-methyleugenol-and-isoeugenol/

なお、電磁界に関する発がんハザードの分類の変更はありません。


[JEICによる注記]
IARCは、化学物質や喫煙などに起因する発がんハザードの同定のための調査・研究と、がん対策を推進する機関です。

IARCによる発がんハザードの同定は、対象となる作用因子、例えば、物理的因子、化学的因子、特殊な環境因子等による定性的な評価(発がんハザードの証拠の確かさの程度)をグループ別に分類するものであり、定量的な評価(発がん性の強さ)をするものではありません。
IARCについての更に詳しい情報は、こちらをご覧下さい。
https://www.jeic-emf.jp/academic/international/iarc/

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