欧州委員会が科学諮問機関SCHEERの予備的意見書「低周波電磁界ばく露の潜在的健康影響」についての公開協議を開始
2023.11.16掲載
欧州委員会(欧州連合(EU)の執行機関)は2023年11月10日付で、同委員会に対する科学諮問機関の一つである「保健・環境・新興リスクについての科学委員会(SCHEER)」が作成した予備的意見書「電磁界ばく露の潜在的健康影響:1 Hzから100 kHzの間の周波数に関する最新情報」について公開協議を開始しました。
この予備的意見書についての欧州委員会の報道発表の内容は以下の通りです。
「誘導加熱式(IH)調理器やワイヤレス充電等の新技術の利用拡大により、電磁界へのばく露が私たちの健康にどのように影響を及ぼし得るかについての評価、ならびにばく露制限値や参考レベルの基礎をなす科学的ガイドラインを更新することが求められています。『保健・環境・新興リスクについての科学委員会(SCHEER)』は2023年10月、欧州委員会の要請を受け、『電磁界ばく露の潜在的健康影響:1 Hzから100 kHzの間の周波数に関する最新情報』の予備的意見書を採択しました。
欧州委員会はこれより、この意見書について、科学界および利害関係者からの意見集約のために公開協議を開始します。
SCHEERは、欧州における一般市民の低周波電磁界へのばく露は、欧州理事会勧告1999/519/ECで推奨されているばく露制限値を依然として下回っていることを見出しました。また、同勧告で示された限度値以下の低周波電磁界ばく露と自己申告の症状との間には、説得力のある証拠はありませんでした。但し、電磁界ばく露と人間の健康との間の相互作用のメカニズムについては、更なる研究が必要です。
関心のある利害関係者は、科学的証拠についてのコメントを2024年1月2日までにオンラインで提出することができます。」
SCHEERの予備的意見書の原文、ならびにコメント提出方法等についての情報は、以下のウェブサイトで確認できます。 https://ec.europa.eu/newsroom/sante/items/807148/en
関連情報:
「欧州委員会の科学諮問機関SCHEERが高周波電磁界についての科学的証拠に関する意見書の最終版を発表」(2023.6.15掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/20230615.html
「欧州委員会の科学諮問機関SCHEERが高周波電磁界についての科学的証拠に関する『予備的意見書』に対する公開協議を開始」(2022.8.23掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/18105.html