米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)が米国国家毒性プログラム(NTP)での携帯電話電波に関する研究を終了と発表
2024.2.7掲載
米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)は2024年2月1日付で、米国国家毒性プログラム(NTP)における携帯電話電波に関する研究を終了すると発表しました。
この発表の当該箇所の内容は以下の通りです。
「NIEHSは、小規模な電波ばく露装置を検査する実現可能性研究を完了し、その結果は内部レビューが完了後、公に入手可能となり、ウェブサイトに掲載されます。 この小規模な電波ばく露装置を用いた研究は予想以上に技術的に困難で、より多くのリソースを要するものでした。加えて、このばく露装置は、2Gおよび3Gデバイスに用いられる周波数および変調方式を調べるために設計されたものでしたが、4G/4G-LTE、または5G(これは未だ十分には定義されていません)といった、より新しい技術を代表するものではありませんでした。これらの要因を考慮して、このばく露装置を用いた更なる研究は実施されず、NIEHSは現時点では追加的な電波ばく露研究を実施する更なる計画はありません。」
また、同時に公表したファクトシートでは、次のように述べられています。
「NTPの携帯電話電波に関する研究は完了したのですか?
はい。NIEHSの科学者らは、当初のげっ歯類研究において見られた知見の一部をより良く理解するためのフォローアップ研究を実施しました。
新規の小規模な電波ばく露装置を開発しました。研究者らは、生体内げっ歯類研究を用いてこの新たなばく露装置を検査しました。
この研究は予想以上に技術的に困難で、より多くのリソースを要するものでした。電波についての更なる研究は計画されていません。」
この発表およびファクトシートの原文は、それぞれ以下のウェブサイトで確認できます。
発表:
https://ntp.niehs.nih.gov/whatwestudy/topics/cellphones
ファクトシート:
https://www.niehs.nih.gov/sites/default/files/NTP_cell_phone_factsheet_jan_2024_508.pdf
関連情報:
「米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)が携帯電話電波の発がん性に関する国家毒性プログラム(NTP)研究の最終報告書を公表」(2018.11.5掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/6543.html
「米国食品医薬品局(FDA)が携帯電話電波の発がん性に関するNTP研究の最終報告書についての声明を発出」(2018.11.5掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/6545.html
「RRG評価:米国国家毒性プログラム報告書『ラットでの携帯電話電磁放射発がん研究』(2016.6)」
https://www.jeic-emf.jp/academic/treatise/RRG6.html