米国国家情報長官室がいわゆる「ハバナ症候群」についての評価の更新版(2024年12月時点)を発表
2025.1.20掲載
米国の国家情報長官室(ODNI)は2025年1月10日付で、米国の在外公館職員らが影響を受けた「異常な健康事象(AHI)」(いわゆる「ハバナ症候群」)について、「情報部門評価(ICA):異常な健康事象についての2024年12月時点での評価の更新版」を発表しました。
今回の報告における、電磁波関連の要点は以下の通りです。
外国勢力の能力:情報部門(Intelligence Community: IC)の5つの構成機関は、外国勢力がパルス高周波(RF)エネルギー兵器またはプロトタイプ装置のような、異常な健康事象(anomalous health incidents: AHI)かもしれないと報告されている事象に関連する症状または感覚的現象を生じる能力を有するという「可能性は非常に低い(very unlikely)」という評価を継続します。2つの構成機関は、外国の指向性エネルギー研究プログラムが進展していることを示すために評価した新たな報告に基づき、2023年の判断を変更しました。1つの構成機関は、外国勢力がRF対人能力を有しており、その能力が、AHIかもしれないと報告されている幾つかの症状と整合する生物学的影響を生じ得るということは「あり得る(likely)」と評価しています。他の構成機関は、外国勢力がAHIかもしれないと報告されている幾つかの経験を生じさせる能力を有する可能性は「概ね偶然と同じ(roughly even chance)」と評価しています。全ての構成機関にとって、今回の判断は、外国の敵対勢力の新型兵器(特にRFエネルギーを用いたもの)の研究開発;そのような研究が、AHIかもしれないと報告されている症状および感覚と整合する形で人体に危害を加え得る科学的可能性、の2つの要因を考慮しています。
この報告の全文は以下のURLから入手可能です。
https://www.odni.gov/index.php/newsroom/reports-publications/reports-publications-2025/4043-updated-assessment-ahi-dec2024
関連情報:
「米国国家情報長官室が『ハバナ症候群』についての評価の更新版を発表」(2023.3.23掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/20230323.html
「米国国家情報長官室が『ハバナ症候群』についての報告書の概要を発表」(2022.2.4掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/17470.html
「全米科学アカデミー(NAS)が米国在外大使館での健康問題は指向性パルス化RFエネルギーによる可能性が高いとする報告書を発表」(2020.12.08掲載、2021.01.05更新)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/16242.html
「RRG評価:全米科学アカデミー(NAS)報告書『在外大使館の米国政府職員とその家族における病気の評価』」
https://www.jeic-emf.jp/academic/commentary/RRG7.html