英国国民保健サービス(NHS)「長期的な携帯電話使用と脳のがん」報道発表
2014.11.21掲載
英国国民保健サービス(NHS)は2014年11月13日付で、「長期的な携帯電話使用と脳のがん」を報道発表しました。
- NHSは、スウェーデンのオレブロの大学病院の研究者らが、医学誌 Pathophysiology電子版に発表した論文「神経膠腫に対する携帯電話およびコードレス電話のリスク:スウェーデンでの1997-2003年および2007-2009年における症例対照研究のプール分析」について、次のように結論付けています。
- この症例対照研究は、携帯電話使用と、最も一般的な脳腫瘍である神経膠腫のリスク上昇との関連を見出しました。しかし、この種の研究は、交絡因子を考慮できないので、携帯電話使用が脳腫瘍を生じさせると証明することはできません。
- 症例は脳のがんの診断を受けた後では、自分の携帯電話使用を過大評価するという、記憶想起バイアスの可能性もあります。加えて、多くの計算は非常に少ない被験者数に基づいており、この知見の信頼性を損ねています。
- この研究は、携帯電話使用が脳のがんを生じることを証明しているわけではなく、 携帯電話使用の長期的な影響は依然として不明です。
- はっきりしているのは、脳腫瘍は比較的に稀であるということです。これは良いことですが、何らかの環境要因が脳腫瘍を生じさせると証明するには、長期的な研究が必要であろうということを意味しています。
公表された文書は、下記URLで確認することができます。不明な点は原文をご参照ください。
原文タイトル:Long-term mobile phone use and brain cancer
URL:http://www.nhs.uk/news/2014/11November/Pages/long-term-mobile-phone-use-and-cancer.aspx