欧州委員会 保健・食品安全総局
「最終提言‐電磁界へのばく露の潜在的健康影響」発表
2015.03.10掲載
欧州委員会と、同委員会に対する諮問機関である「新興・新規同定された健康リスクについての科学委員会(SCENIHR)」は、電磁界へのばく露の潜在的健康影響についての提言を発表しました。
この提言は、携帯電話、WiFi及び放送局から発せられる無線周波(RF)電磁界、 ならびに電力線及び家庭やオフィスでの家電製品から生じる超低周波(ELF)磁界からの潜在的健康影響といった、公衆が懸念する問題に対処しています。
これは、新たに入手可能となった情報(主に2008年以降に発表された、700報以上の研究)を踏まえ、2009年1月19日付及び2009年7月6日付のSCENIHRの以前の提言を更新することを目的としています。この提言は次のように結論付けています。
- 現在の科学的研究の結果は、欧州連合(EU)の法律で推奨されている限度より低い電磁界へのばく露と、健康への悪影響とを結び付けていません。
- 携帯電話のRFばく露についての疫学研究は全体として、脳腫瘍のリスク上昇を示していません。更に、頭頸部のその他のがんについてのリスク上昇も示してい ません。
- 先行研究で示唆された電磁界とアルツハイマー病のリスク上昇との関連は、新たな研究では確認されず、つながりは認められませんでした。
- 疫学研究は、例えば電力線のすぐ近くに長期間住むことによるELF磁界へのばく露と、稀な血液のがんである小児白血病のやや高い発生率とを結び付けています。この相関は、動物研究及び細胞研究では説明も支持もなされていません。これまでの研究の知見からは、この関連を説明できるメカニズムは見つけられませんでした。あるかも知れない因果関係を確認または否定するため、更なる研究が必要です。
公表された文書は、下記URLで確認することができます。不明な点は原文をご参照ください。
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欧州委員会 保健・食品安全総局(DG SANTE)3月6日付報道発表
「最終提言‐電磁界へのばく露の潜在的健康影響」
原文タイトル
「Final Opinion - Potential health effects of exposure to electromagnetic fields」
Directorate General for Health and Food Safety (DG SANTE) -
URL
- (報道発表)
- http://ec.europa.eu/dgs/health_food-safety/dyna/enews/enews.cfm?al_id=1581
- (提言の全文:2015年1月27日のSCENIHR総会で採択)
- http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/emerging/docs/scenihr_o_041.pdf
- (この提言を要約したファクトシート)
- http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/docs/citizens_emf_en.pdf