英国国立保健サービス(NHS)が「携帯電話使用と精子の質の低下との関連について」声明を発表
2016.2.26掲載
英国の国民保健サービス(NHS)は2016年2月22日付で、不妊の問題があるイスラエルの男性の携帯電話使用と精子の質との関連の可能性についての最近の論文(Habits of cell phone usage and sperm quality - does it warrant attention? http://www.emf-portal.de/viewer.php?l=e&aid=27619)に関して、英国内で誤解を招くメディア報道が見られることから、この問題に関する声明を発表しました。
- この研究には、既に不妊の問題があり、不妊クリニックで精子の分析を受けたイスラエルの男性80人しか含まれていません。彼らは、携帯電話使用に関する質問にも回答しました。
- この研究は、精子濃度が異常値を示した男性の多くが、携帯電話で毎日1時間以上通話していた、また充電中に通話していたと報告しました。
- 携帯電話使用と精子の量や精子の運動性との関連は認められませんでした。精子の形状が異常だった男性は僅か1人だったので、これについては評価できませんでした。
- この研究には幾つかの重要な制約があります。このことは、携帯電話電波と精子の質との間に関連があるかどうか、この研究が言えることは非常に少ないことを意味します。例えば、この男性らが携帯電話で毎日1時間以上通話していた、また充電中に通話していたと報告したとしても、それが時折なのか、何年間もそうしていたのかは不明です。
- 全体として、携帯電話使用と電波ばく露が男性の不妊に悪影響を及ぼす可能性があるかどうかは重要な問題ですが、この研究はそれに回答することはできません。
<ダイジェスト>
この声明の結論の要点は以下の通りです。
発行元:U.K. National Health Service
原文タイトル:Mobile phone use ‘linked to poor sperm quality’
URL:http://www.nhs.uk/news/2016/02February/Pages/Mobile-phone-use-linked-to-poor-sperm-quality.aspx