オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が携帯電話電波のがんリスクに関するNTP研究の技術報告書草案に対する報道発表を発出

2018.2.7掲載

米国の国立環境衛生科学研究所(NIEHS)が2018年2月2日発表した、携帯電話電波のがんリスクに関する国家毒性プログラム(NTP)研究の技術報告書草案に対し、オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2月7日、報道発表を発出しました。

この報道発表は次のように述べています。
「この動物研究(NTP研究)は、携帯電話からの電波ばく露が、がんを含む何らかの健康影響を生じるかどうかを調べました。
この研究では、ラットとマウスは携帯電話に使われているものと同じ周波数の電波に、0、3、6または9W/kgのレベルで、最長1日あたり9時間ばく露されました。
オーストラリアにおける携帯電話ばく露レベルの限度値は2W/kgに設定されていますが、大半の携帯電話のばく露レベルはこれより低いです。
NTPはこの研究の全ての結果についての技術報告書草案を発表し、2018年3月に外部の専門家パネルによる査読を実施します。
ARPANSAは専門家パネルのレビュー後、NTP研究の結果を評価し、助言を提示します。
私たちは、携帯電話と健康についての情報を発出しています。携帯電話が潜在的健康リスクを生じるかどうかを調べるため、多くの研究が実施されてきました。ARPANSA及び他の国々、ならびに世界保健機関(WHO)を含む国際的な保健当局の評価は、携帯電話使用が何らかの健康影響を生じるという科学的証拠は確立されていません、というものです。但し、有害性の可能性を完全に排除することはできません。」

この報道発表の原文は、以下のURLで確認することができます。
https://www.arpansa.gov.au/news/us-national-toxicology-program-mobile-phone-radiofrequency-radiation-study

※JEICによる注記:
この報道発表の文中で、「オーストラリアにおける携帯電話ばく露レベルの限度値は2W/kgに設定されています」とありますが、これは一般環境での頭部及び胴体に対する局所ばく露についての限度値です。NTP研究では、ラットとマウスは全身に電波をばく露されました。オーストラリアにおける一般環境での全身ばく露についての限度値は0.08W/kgです。これらの値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン及び日本の電波防護指針と同じです。

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