米国食品医薬品局(FDA)が携帯電話電波の発がん性に関するNTP研究の最終報告書についての声明を発出
2018.11.5掲載
米国の食品薬品局(FDA)は2018年11月1日、国立環境衛生科学研究所(NIEHS)が同日付で発表した携帯電話電波の発がん性に関する国家毒性プログラム(NTP)研究の最終報告書についての声明を発出しました。
主な結論は以下の通りです。
「我々は、NIEHSの一部門であるNTPの研究者らにより実施され、最近最終化された、電波ばく露についての研究をレビューしました。我々は、電波にばく露したげっ歯類における発がん活性の『明確な証拠』に関する、彼らの最終報告書の結論には同意しません。
NTP研究では、研究者らは極めて高いレベルの電波への全身に対するげっ歯類のばく露の影響に着目しました。これは、この種のハザード同定研究で一般的に行われるものであり、このことは、この研究が携帯電話に対する現行の全身への安全限度よりも相当に高いレベルの電波ばく露を調べたものであることを意味します。これは、動物の組織に対する電波の影響について、我々が既に理解していることに寄与することを意図したものです。実際、動物の組織への影響が認められ始めたのは、電波ばく露について連邦通信委員会(FCC)が制定した現行の全身に対する安全限度よりも50倍も高いばく露でした。
NTPの研究者らは、今年前半に発表した報告書草案についての声明で、『これらの知見をヒトの携帯電話使用に直接外挿すべきではない』という重要な注記を含めて、この点を繰り返しています。
我々も、これらの知見をヒトの携帯電話使用に適用すべきではない、ということに同意します。」
この声明の原文は、以下のURLで確認することができます。
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624809.htm