スイス政府の諮問グループがNTP研究結果の評価結果を発表

2018.11.22掲載

スイス連邦環境庁(FOEN)に対する諮問グループ「電磁界及び非電離放射線に関する専門家グループ(BERNIS)」が2018年11月13日、米国の国家毒性プログラム(NTP)が実施した携帯電話電波の発がん性についての研究、及びイタリアの類似研究(Ramazzini InstituteのFalcioni他による)に対する評価結果を発表しました。
全体として、両研究の結果を概ね支持しており、電波防護に関する規制については現行の「念のためのアプローチ(precautionary approach)」を支持しています。

NTP研究については、特に熱作用の可能性に関して次のように述べています。
「雄ラットの最も高いばく露群(6W/kg)で認められた深部体温の上昇は、疑似ばく露群と比較して最大で1℃未満であった。この程度(1℃)の温度上昇ががん発生率に影響を及ぼすとは知られていないので、心臓の神経鞘腫の有意な増加、及び神経膠腫の有意ではない増加は、温度上昇とは関係なさそうである。もし熱作用を考慮するなら、ICNIRPがこれまでガイドラインの根拠としている1℃の温度閾値に疑問を抱かざるを得ない。」

なお、BERENISは年に数回、電磁界の健康影響に関する最近の論文について独自のレビューを実施し、その内容をニュースレター形式で発表しています。
今回は、NTP研究とイタリアの研究の2つに焦点を絞った特別号の形式で発表したものです。

BERNISのニュースレターは、以下のURLから入手できます。
https://www.bafu.admin.ch/bafu/en/home/topics/electrosmog/newsletter-of-the-swiss-expert-group-on-electromagnetic-fields-a.html

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