オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が行った携帯電話と脳腫瘍罹患率に関する研究論文を発表
2018.12.13掲載
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が主導し、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル・オープンに掲載された研究では、オーストラリアにおける携帯電話の使用と脳のがんの発生率とのつながりは認められませんでした。
ウォロンゴン大学、モナッシュ大学及びオークランド大学との共同で実施した我々の研究は、1982-2013年に診断された、神経膠腫、神経膠芽腫及び髄膜腫を含む、成人の異なるタイプの脳腫瘍の発生率に着目しました。症例16825人の脳のがんの診断を、オーストラリアの携帯電話加入の増加と比較しました。
この研究では以下のことが示されました。
- 全体的な脳腫瘍の発生率は、この期間を通じて安定を維持しており、オーストラリアでの携帯電話使用の増加と比較したところ、増加は認められませんでした。
- 1993-2002年に神経膠芽腫の増加がありましたが、これは磁気共鳴画像撮影(MRI)技術における進展を含む、良い診断技法によるものとされました。
- 携帯電話使用は2003年以降に急速に増加しましたが、それ以降にどのタイプの脳腫瘍の増加もありませんでした。
- 2003年以降、携帯電話を使用する際に最もばく露される部位である側頭葉の脳腫瘍の増加もありませんでした。
この研究に関するARPANSAの報道発表の原文は、以下のURLで確認することができます。
https://www.arpansa.gov.au/news/new-arpansa-study-finds-no-link-between-mobile-phone-use-and-brain-cancers