国際がん研究機関(IARC)が
発がん性評価結果を更新(Volumes 1-123)
2019.2.25掲載
2019.3.8更新
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、2019年2月22日付で発がん性評価結果を更新しました。
これは、「IARCモノグラフVol.119:げっ歯類において尿路の腫瘍を生じる一部の化学物質」の全文(オンライン版)の発表に伴うものです(Vol.119の概要版は、2017年6月28日付で発表済みです)。
この評価では、メラミン、1-tert-ブトキシプロパン-2-オール、β-ミルセン、フルフリルアルコール、 ピリジン、テトラヒドロフラン、塩化ビニリデンが「グループ2B:ヒトに対して発がん性があるかも知れない」に分類されています。
なお、IARCの発がん性評価の最新版は「Vol.123:幾つかのニトロベンゼン類及びその他の産業用化学物質」で変更ありません。電磁界に関する発がん性評価の変更もありません。
また、IARCが2019年1月18日付で、 「ヒトに対する発がんハザードの同定についてのIARCモノグラフ」の前文を改定し、 従来の「グループ4:ヒトに対しておそらく発がん性がない」が廃止されたことに伴い、 2月22日付の更新では、従来のグループ4に分類されていた唯一の因子であるカプロラクタムが、 「グループ3:ヒトに対する発がん性を分類できない」に改めて分類されました。
JEICによる注記
IARCは、化学物質や喫煙などによって及ぼされる発がん性のリスクについての調査・研究と、がん対策を推進する機関です。
IARCの発がん性評価は、対象となる作用因子、たとえば、物理的因子、化学的因子、特殊な環境因子等による定性的な評価(発がん性の性質の程度)をグループ別に分類するものであり、定量的な評価(発がん性の強さ)をするものではありません。
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