欧州連合(EU)
欧州連合(EU)の立法および行政機構
欧州連合(EU:European Union)は、かつて欧州に存在した共通の課題を持ついくつかの共同体を母体として、 1992年の欧州連合条約(マーストリヒト条約)によって誕生しました。 その目的は、第2次世界大戦の反省に立って、平和を守り経済と社会の進歩を促進することです。2009年4月現在、27ヶ国が加盟しています。
EUには、欧州議会、EU理事会、欧州委員会、欧州理事会、欧州司法裁判所など、 司法・立法・行政のいわゆる3権を司る機関が設置されており、それぞれが条約で与えられた機能を果たしながらEUを運営しています。 ここでは、この内、立法と行政に関わる機関についてその役割を概説します。
EUにおいて、法案提案権は欧州委員会が有しており、欧州議会は法案提案権を有せず審議権が与えられています。 すなわち、欧州委員会からEU理事会および欧州議会に提案された法案は、まずは欧州議会で審議され(第1読会:reading)、 欧州議会の意見を踏まえてEU理事会が承認するという手続きが取られます。EU理事会が承認しない場合は、 その意見が欧州議会に伝達され、再度欧州議会で審議(第2読会)、承認されれば成立ということになります。
EU理事会がEUの諸法を制定し、政策決定を行う最高機関であるのに対し、欧州議会は、 諸法制定にあたってEU理事会への影響力を行使することができ、また、政策を執行する機関である欧州委員会の監視機関としての役割を担っています。
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参考:外務省ホームページ:欧州連合(EU):
- http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eu/index.html
EUの立法および行政機構の概要を下図に示します。