100kHz~300GHzまでの高周波電磁界に関するガイドライン
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は2020年3月11日付で、電磁界(100kHzから300GHzまで)へのばく露の制限に関するガイドライン(以下、新ガイドライン)を公表しました。新ガイドラインは、ICNIRPの高周波ガイドライン(1998)の100kHzから300GHzまで、およびICNIRPの低周波ガイドライン(2010)の100kHzから10MHzまでの電磁界周波数範囲を置き換えています。
原文
- ガイドライン:ICNIRP Guidelines for Limiting Exposure to Electromagnetic Fields (100kHz - 300 GHz). Health Phys 118(5):483-524; 2020.
- FAQ:Frequently Asked Questions related to the ICNIRP RF EMF Guidelines 2020
- Differences Between the ICNIRP (2020) and Previous Guidelines
参考資料
また電磁界情報センターでは、「新ガイドラインの全文」、「ICNIRPの高周波(RF)電磁界ガイドライン2020年版に関連したよくある質問と回答(FAQ)」、「ICNIRPガイドライン(2020)と以前のガイドラインとの違い」を日本語訳し、ICNIRPの許諾を得てウェブサイトに掲載しました。日本語訳をご希望の方は以下から入手可能です。
新ガイドラインの改定には、世界保健機関(WHO)の「無線周波電磁界:環境保健クライテリア・モノグラフ(第一草案)」(WHO 2014)、欧州委員会(EC)の「新興および新規に同定された健康リスクに関する科学委員会の電磁界へのばく露による潜在的健康影響に関する報告書」(SCENIHR 2015)およびスウェーデン放射線安全庁の報告書(SSM 2015,2016,2018 )による主要なレビューを利用し、更に2019年9月1日までに公表された最新の研究を考慮して、高周波電磁界のばく露による“実証された”健康への悪影響から人々を防護することを目的にガイドラインが見直されました。
新ガイドラインの主な変更点は、第5世代移動通信システム(5G)等の高周波電磁界の技術的発展を考慮し、 6GHzを超える高周波電磁界における、全身ばく露及び短時間の局所的ばく露に対する制限の追加や局所的ばく露に対する許容ばく露の低減などです。