オンライン Q&A
携帯電話およびその基地局に関連する健康上のリスクは何ですか?
What are the health risks associated with mobile phones and their base stations?
20 September 2013
http://www.who.int/features/qa/30/en/
携帯電話およびその基地局に関連する健康上のリスクは何ですか?
携帯電話が放射する無線周波(RF)電磁界へのばく露は、基地局からのばく露より1000倍以上大きく、したがって電話機に起因する何らかの有害な影響があれば、それも同様に大きいと考えられるため、研究は携帯電話機からのばく露による影響の可能性にほぼ集中して行われてきました。
研究は、以下の分野について行われています。
- がん
- その他の健康影響
- 電磁干渉
- 交通事故
がん
無線電話のRF放射へのばく露と頭部のがん(神経膠腫および聴神経鞘腫)とのヒトにおける関連を示す総合的な疫学的証拠を根拠に、国際がん研究機関は、RF電磁界を「ヒトに対して発がん性があるかも知れない」(グループ2B)に分類しました。基地局からなどのRF電磁界への環境ばく露が、がんまたは何らかの他の病気のリスクを高めるということは、これまでの研究で示されていません。
その他の健康影響
科学者は、携帯電話使用によるその他の健康影響として、脳活動、反応時間、睡眠パターンの変化などを報告しています。これらの影響は、些細な変化であり、目に見えた健康上の意味がありません。さらに多くの研究が進行中で、これらの研究結果を確認する努力が行われています。
電磁干渉
医用機器(ペースメーカ、植え込み型除細動装置、特定の補聴器など)の非常に近くで携帯電話を作動させた場合、それら医用機器の動作との電磁干渉を起こす可能性があります。3G携帯電話および新しい医用機器では、このリスクがはるかに低くなっています。携帯電話信号と航空機の電子機器との間でも電磁干渉の可能性があります。一部の国は、携帯電話出力を制御するシステムを航空機に搭載することにより、飛行中の機内での携帯電話使用を許可しています。
交通事故
運転中に携帯電話(手持ち型またはハンズフリーキット使用のどちらでも)を使用すると、注意散漫により、交通事故のリスクが上昇、すなわち発生確率が3-4倍高まることを研究が示しています。
結論
携帯電話使用による脳腫瘍のリスク上昇は確立されていないものの、携帯電話の使用は増加し、しかも15年以上の長期の携帯電話使用に関するデータが不足していることは、携帯電話使用と脳腫瘍リスクについてさらに研究を行う根拠として正当なものです。特に、若者の携帯電話使用が近年拡大し、生涯ばく露期間が長くなることから、WHOは、これらの人口集団に関する一層の研究を促進しており、現在、あらゆる影響評価項目を用いてRF電磁界の健康影響の評価を進めています。